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2025年05月18日

ブルックナー・ファン必聴のケンペ チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 交響曲8番 2種

ブルックナー・ファン、ケンペ・ファン、必聴の名盤。

名盤のオリジナル盤CH exlibris EL16 607 ルドルフ・ケンペ チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 ブルックナー:交響曲8番

  • ケンペらしい、ドイツらしい引き締まって美しい弦の響きと、意外に豪快な金管の組み合わせが絶妙な名演。スイスの高級レコード頒布会社Ex Librisから1973年に発売され、録音の優秀さでも話題となりました。権利関係が複雑なためか2000年代までCD化されず、幻の名演としてマニアの間で再発が待望された名盤のオリジナル盤です。
  • CH exlibris EL16607 ルドルフ・ケンペ ブルックナー「交響曲第8番」(2枚組)
1971年11月12・13日チューリッヒ、トーンハレ録音。日本ではLP2枚組としてケンペが亡くなる直前の1975年に発売され、その解説を担当した評論家宇野功芳が「極めてユニークで内省的な演奏」と紹介しました。評判のクナッパーツブッシュや朝比奈、後年話題になったヴァントと聴き比べても、ケンペ盤は同じようなアプローチのようでいて、宗教性とか、虚心坦懐に音楽と向き合うとか、そういう言葉では括れない態度を感じます。ケンペは言うさがすべきではない。めぐり合うべきである。さがすということは、意識的な小細工を意味する。めぐり合うのは、作曲者とその音楽に対する献身の結果である。〝内省的〟とは、神に畏怖しながらも、萎縮することなく対峙しているケンペの裸の心を評言している。

通販レコードのご案内CH TUDOR 74 003/004 ルドルフ・ケンペ ブルックナー・交響曲第8番

  • この盤はケンペが亡くなくなる直前にTUDORレーベルから発売された、Ⓟ1974盤。オリジナルのEx Libris盤は、Ⓟ1973。この録音は70年代前半に登場した4チャンネル再生システム用に録られたこともあり残響豊か。チューリヒ・トーンハレのホールトーンを感じさせており、ブラスが響きわたるときの充実感は特に素晴らしい。
  • CH TUDOR 74 003/004 ルドルフ・ケンペ ブルックナー・交響曲第8番

入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。
詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。

通販レコードの購入にあたって・確認とお問い合わせは

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2025年05月07日

鬼才指揮者の若き日の名演、優秀録音◉マゼール指揮ウィーン・フィル◯チャイコフスキー・交響曲第4番

鬼才指揮者の超能力!



CDはアマゾンで購入できます。

英デッカの面目躍如といった素晴らしい録音!
チャイコフスキーは録音が良いことは必須です。
細部にこだわり抜くマゼールの芸風との相性も良く、通常では意識しないような細部の音型をシャープに立ち上がらせたり
自在で俊敏なドライヴ感を克明に伝えるなど、当時のマゼールならではの魅力をいっそう際立たせています。

ヴィンテージレコードの紹介超能力の域。楽譜を熟知した指揮の緻密さは驚嘆すべきものがあった。

《ED2、オリジナル盤》GB DECCA SXL6157 マゼール&VPO チャイコフスキー・ 交響曲4番

GB DECCA SXL6157 マゼール&VPO チャイコフスキー・ 交響曲4番早熟の天才として幼いころからヴァイオリン奏者として名を成し、ニューイヤーコンサートではボスコフスキー再来とばかりに弾き振り感動与えてくれました。彼の指揮のもとで演奏した、ウィーン・フィルの楽団員は記憶力の抜群な指揮者だったと当時を語っていた。譜面をめくること無く、頭のなかでめくりながら指揮をしているようだったという。

ドラマティックな展開に富むこの曲を覇気あふれるタクトで、ぐいぐい引っ張るマゼールの力量が魅力。この曲のカラヤンの演奏はすごい。しかし、そのカラヤンに畏怖を感じさせていたであろうマゼールの音楽もまたすごい。

そんな超才能は、早熟の天才所以もある。8歳で大学オケを指揮してデビュー、9歳でストコフスキーの招きでロサンゼルス・フィルを指揮、さらにトスカニーニに認められNBC交響楽団を指揮、ニューヨーク・フィルにもデビューした。その少年に対して練習中はわざと音を外して嫌がらせをする立派な大人たちに、マゼール少年はプロの指揮者としてその間違いを指摘し健全な人間関係を築いていったという。

このウィーン・フィルとの録音の前に、ドイツ・グラモフォンでベルリン・フィルとの録音もある。30歳の史上最年少でバイロイト音楽祭デビューを飾った時の録音で、わずか数年前までフルトヴェングラーが指揮し、今は帝王カラヤンが君臨する天下のベルリン・フィルを相手にしている。その5年後、名匠カルーショーが(5番のプロデュースを最後に)身を引いた後のことだ。当時のレコード会社の協定では掟破り覚悟のギリギリといえる同一曲の録音をウィーン・フィルで敢行。英国 DECCA 社としてはカラヤンとの契約が継続できるか不安定要素だったのだろう。たとえ保険としてのマゼールの器用だったとして、チャイコフスキーの交響曲、協奏曲をまとまった形で今、私たちは楽しむことができているのは嬉しいことです。

チャイコフスキーは、録音が良いことは必須です。本盤は、クールかつクリアな雰囲気となっており、シベリウス同様チャイコフスキーにもピッタリ。朗々と鳴り渡る金管や明晰なティンパニなどは立派にロシアの雰囲気を醸し出している。決して明るすぎることのないシャープさは、けっして曲想から逸脱してはいません。英国 DECCA 録音の面目躍如といったところでしょうか。素晴らしい録音です。

レコード・ノート

プロダクト

GB Decca SXL6157 – Lorin Maazel – Vienna Philharmonic Orchestra – Tchaikovsky ‎– Symphony No.4
レーベル
DECCA
レコード番号
SXL6157
作曲家
ピョートル・チャイコフスキー
オーケストラ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮者
ロリン・マゼール
録音種別
STEREO
GB(イギリス)盤
Producer: Erik Smith
Engineer: Gordon Parry
Recording location: Sofiensaal, Vienna, September 1963 - October 1964
まだ若かったマゼールが、ウィーン・フィルを指揮してデッカにおこなったセッション録音。録音会場は、かつてデッカがウィーン・フィルとのセッション録音に多用したゾフィエンザールで、このホールでの収録時に顕著な生々しいサウンドが演奏の個性をいっそう引き立てています。
「ffss」のロゴ・マークでも知られたその鮮明な響きは細部にこだわり抜くマゼールの芸風との相性も良く、通常では意識しないような細部の音型をシャープに立ち上がらせたり自在で俊敏なドライヴ感を克明に伝えるなど、当時のマゼールならではの魅力をいっそう際立たせていたように思います。
ロマン派交響曲としてのスリルやダイナミズムを往年のウィーン・フィルの個性豊かな美しいサウンドで実現したユニークな内容。

レコードのカバー、レーベル写真

  • GB DECCA SXL6157 マゼール&VPO チャイコフスキー・ 交響曲4番
  • GB DECCA SXL6157 マゼール&VPO チャイコフスキー・ 交響曲4番
ED2
レーベル中にデザインされている銀色の帯(黒色で「 FULL FREQUENCY 」と書かれている)の幅が13ミリメートルあり、ED4 よりかなり広い。そのため、「ワイド・バンド」とも呼ばれています。またラージ・レーベルの外周から約1センチのところに溝( GROOVE )があります。ここまではファースト・ラベルと同一デザインです。ただし、ラベル上部10時位置の文字が、「 Made in England By … 」に変更になりました。多くの専門家の間で、このセカンド( ED2 )の音質は、ファーストラベル( ED1 )に似ているという意見が多いです。

WIDE BAND WITH GROOVE MADE IN ENGLAND ED2, STEREO 1枚組(150g), Release 1965, Stamper 1W/3G。


  


2025年05月04日

鬼才指揮者の若き日の名演、優秀録音◉マゼール指揮ウィーン・フィル◯チャイコフスキー・交響曲第4番

鬼才指揮者の超能力!



CDはアマゾンで購入できます。

英デッカの面目躍如といった素晴らしい録音!
チャイコフスキーは録音が良いことは必須です。
細部にこだわり抜くマゼールの芸風との相性も良く、通常では意識しないような細部の音型をシャープに立ち上がらせたり
自在で俊敏なドライヴ感を克明に伝えるなど、当時のマゼールならではの魅力をいっそう際立たせています。

ヴィンテージレコードの紹介超能力の域。楽譜を熟知した指揮の緻密さは驚嘆すべきものがあった。

《ED2、オリジナル盤》GB DECCA SXL6157 マゼール&VPO チャイコフスキー・ 交響曲4番

GB DECCA SXL6157 マゼール&VPO チャイコフスキー・ 交響曲4番早熟の天才として幼いころからヴァイオリン奏者として名を成し、ニューイヤーコンサートではボスコフスキー再来とばかりに弾き振り感動与えてくれました。彼の指揮のもとで演奏した、ウィーン・フィルの楽団員は記憶力の抜群な指揮者だったと当時を語っていた。譜面をめくること無く、頭のなかでめくりながら指揮をしているようだったという。

ドラマティックな展開に富むこの曲を覇気あふれるタクトで、ぐいぐい引っ張るマゼールの力量が魅力。この曲のカラヤンの演奏はすごい。しかし、そのカラヤンに畏怖を感じさせていたであろうマゼールの音楽もまたすごい。

そんな超才能は、早熟の天才所以もある。8歳で大学オケを指揮してデビュー、9歳でストコフスキーの招きでロサンゼルス・フィルを指揮、さらにトスカニーニに認められNBC交響楽団を指揮、ニューヨーク・フィルにもデビューした。その少年に対して練習中はわざと音を外して嫌がらせをする立派な大人たちに、マゼール少年はプロの指揮者としてその間違いを指摘し健全な人間関係を築いていったという。

このウィーン・フィルとの録音の前に、ドイツ・グラモフォンでベルリン・フィルとの録音もある。30歳の史上最年少でバイロイト音楽祭デビューを飾った時の録音で、わずか数年前までフルトヴェングラーが指揮し、今は帝王カラヤンが君臨する天下のベルリン・フィルを相手にしている。その5年後、名匠カルーショーが(5番のプロデュースを最後に)身を引いた後のことだ。当時のレコード会社の協定では掟破り覚悟のギリギリといえる同一曲の録音をウィーン・フィルで敢行。英国 DECCA 社としてはカラヤンとの契約が継続できるか不安定要素だったのだろう。たとえ保険としてのマゼールの器用だったとして、チャイコフスキーの交響曲、協奏曲をまとまった形で今、私たちは楽しむことができているのは嬉しいことです。

チャイコフスキーは、録音が良いことは必須です。本盤は、クールかつクリアな雰囲気となっており、シベリウス同様チャイコフスキーにもピッタリ。朗々と鳴り渡る金管や明晰なティンパニなどは立派にロシアの雰囲気を醸し出している。決して明るすぎることのないシャープさは、けっして曲想から逸脱してはいません。英国 DECCA 録音の面目躍如といったところでしょうか。素晴らしい録音です。

レコード・ノート

プロダクト

GB Decca SXL6157 – Lorin Maazel – Vienna Philharmonic Orchestra – Tchaikovsky ‎– Symphony No.4
レーベル
DECCA
レコード番号
SXL6157
作曲家
ピョートル・チャイコフスキー
オーケストラ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮者
ロリン・マゼール
録音種別
STEREO
GB(イギリス)盤
Producer: Erik Smith
Engineer: Gordon Parry
Recording location: Sofiensaal, Vienna, September 1963 - October 1964
まだ若かったマゼールが、ウィーン・フィルを指揮してデッカにおこなったセッション録音。録音会場は、かつてデッカがウィーン・フィルとのセッション録音に多用したゾフィエンザールで、このホールでの収録時に顕著な生々しいサウンドが演奏の個性をいっそう引き立てています。
「ffss」のロゴ・マークでも知られたその鮮明な響きは細部にこだわり抜くマゼールの芸風との相性も良く、通常では意識しないような細部の音型をシャープに立ち上がらせたり自在で俊敏なドライヴ感を克明に伝えるなど、当時のマゼールならではの魅力をいっそう際立たせていたように思います。
ロマン派交響曲としてのスリルやダイナミズムを往年のウィーン・フィルの個性豊かな美しいサウンドで実現したユニークな内容。

レコードのカバー、レーベル写真

  • GB DECCA SXL6157 マゼール&VPO チャイコフスキー・ 交響曲4番
  • GB DECCA SXL6157 マゼール&VPO チャイコフスキー・ 交響曲4番
ED2
レーベル中にデザインされている銀色の帯(黒色で「 FULL FREQUENCY 」と書かれている)の幅が13ミリメートルあり、ED4 よりかなり広い。そのため、「ワイド・バンド」とも呼ばれています。またラージ・レーベルの外周から約1センチのところに溝( GROOVE )があります。ここまではファースト・ラベルと同一デザインです。ただし、ラベル上部10時位置の文字が、「 Made in England By … 」に変更になりました。多くの専門家の間で、このセカンド( ED2 )の音質は、ファーストラベル( ED1 )に似ているという意見が多いです。

WIDE BAND WITH GROOVE MADE IN ENGLAND ED2, STEREO 1枚組(150g), Release 1965, Stamper 1W/3G。


  


2025年04月19日

名曲名盤縁起 パガニーニが依頼したヴィオラ独奏付き交響曲 ベルリオーズ〜交響曲《イタリアのハロルド》より第3楽章

イギリスの詩人バイロンの命日 ― 1824年4月19日

 イギリスのロマン派詩人で、夭折したジョージ・バイロン(1788〜1824)の命日である。バイロンは、ベルリオーズの交響曲《イタリアのハロルド》にアイディアを提供した詩人。
《幻想交響曲》を聴いて大感激したヴァイオリンの鬼才パガニーニから、自分が所持しているストラディヴァリウスのヴィオラを生かせるような曲を書いて欲しいと頼まれ、バイロンの出世作『チャイルド・ハロルドの巡礼』をもとに、独奏ヴィオラ付きという奇妙な交響曲として書かれた。
シャルル・ミュンシュ ベルリオーズ・イタリアのハロルド RCA FVL2 7174

交響曲《イタリアのハロルド》

 この曲は、実をいうと交響曲ではありません。ベルリオーズ自身のイタリア滞在の思い出を、4つの楽章に書き留めたものです。そして、ここにも彼の《幻想交響曲》における「固定楽想」に近いものが認められますが、それがハロルドという人物を体現しており、ハロルド役を「演じる」のは一貫して独奏ヴィオラ。劇的物語 《ファウストの劫罰》でもマルガリータの歌うアリアにヴィオラが伴っていましたから、むしろこちらと同系列といえます。一人物=一楽器という表現方法は、ウェーバーの歌劇《魔弾の射手》でも、脇役エンヒェンにヴィオラがあてがわれていますし、シューマン時代のひとつの流行でした。こうしたスタイルは、時下ってリヒャルト・シュトラウスの交響詩《ドン・キホーテ》では、チェ ロとヴィオラが、それぞれドン・キホーテとサンチョ・パンサを演じており、こちらを引き合いに出すのが理解されやすいかとも思います。
 劇的物語 《ファウストの劫罰》と違って交響曲《イタリアのハロルド》は、セリフや劇を伴わない純粋なオーケストラ曲であるわけですがベルリオーズの音楽は非常に視覚的です。ハロルドは夢見がちな性格で、その意味でもファウストに似ています。たとえばヴェルディの歌劇《ドン・カルロ》に出てくるロドリーゴのような決然とした人物ではありません。そんな性格を表現するのに、ベルリオーズはヴァイオリンのような強いキャラクターをもつ楽器ではなく、この柔らかな響きのする楽器・ヴィオラが適していると考えたのです。文学的に構想されており、そもそもベルリオーズには、この曲をヴィオラが活躍する「協奏曲」に仕立てるつもりはありませんでした。

メニューイン&デイヴィス ベルリオーズ・イタリアのハロルド EMI ASD537
 第1楽章が出来たところでスコアを見たパガニーニは、あまりにヴィオラが(=ハロルドを表す)の出番が少ないのでがっかりしたらしいが、ベルリオーズはそのまま最後まで「ヴィオラ付き」で書き進めた。その第3楽章「アプルッチの山人が、その愛人に寄せるセレナード」は、相変わらずヴィオラは刺身のツマのようだが、村人の素朴な踊りを見ながらハロルドが歌う愛のセレナードは、とても優美だ。

Louis Hector Berlioz

(1803.12.11 〜 1869.3.8、フランス)

革新的な管弦楽法。標題音楽の創案者

Louis Hector Berlioz
 自由奔放な性格を持った最もロマン派的な作曲家。医者の家に生まれたため大学では医学を学んだが、途中で音楽学校に転校し、作曲の道を歩むようになる。27歳で大作「幻想交響曲」を作曲し、まもなくローマ大賞を獲得してローマに遊学した。「幻想交響曲」は、ベートーヴェンの死後数年を経ずして書かれたにもかかわらず、全曲を一貫する「固定概念」という新しい手法を編み出したり、また膨大な楽器編成による色彩豊かで革新的な管弦楽法は、リストその他のロマン派の作曲家たちに大きな影響を与えた。
序曲「ローマの謝肉祭」、「ファウストの劫罰」、歌劇「ベンベヌート・チェリーニ」などは特に有名。ほかに「管弦楽法」という著書も有る。

エクトル・ベルリオーズ 略歴

 ベルリオーズは、1803年フランス南東部のラ・コート・サンタンドレで生まれた。彼の父親は医者で、恵まれた環境の中で育てられた。パリの大学で医学生として勉強していた彼は、次第に音楽に傾倒し、ついに父親の反対を押し切る形で、パリ音楽院に入学したのであった。
 音楽家となった彼は、貧困生活を送りながら作曲活動をしていたが、生前は全くと言っていいほどフランスで評価されることは無かった。また、世界一のヴァイオリニストとして有名なパガニーニが彼にお金をくれたという逸話が残されている。現在の金額にして1000万円ほどとのことで、ベルリオーズはこれに感謝し、パガニーニに曲を献呈しているのだが、どうやらこれは、楽譜屋が楽譜を売るために作った作り話であったことが分かっている。

革新的な管弦楽法を展開し得たのは、当時パリに優れたオーケストラがあったことと関係している

 《イタリアのハロルド》の場合、英国の詩人バイロン著『チャイルド・ハロルドの遍歴』にインスピレーションを得ていますが、それだけで作曲に至っただろうか。これほどの規模でヴィオラを独奏に用いるのは、珍しかったのではないでしょうか。ベルリオーズのもとにパガニーニがやってきて、良いヴィオラがあるから自分のために曲を書いてくれないかと頼んできた経緯があります。
 それにベルリオーズが革新的な管弦楽法を展開し得たのは、当時パリに優れたオーケストラがあったことと関係しているのでしょう。オーケストラ・パートに、当時としては異例な弱音記号4つ、ppppが書き込まれています。
 リストやショパンには、シューマンも実際に会っていますしフランスのベルリオーズについては、賞賛の評論文を書いています。そして、ベルリオーズとリストの間には親交がありました。シューマン以後において、音楽の中心地といえばパリです。ワーグナー、リスト、ショパンなど ― みなこの地と関係しました。それはドビュッシーやラヴェルを準備しただけではありません。文学なども含め、世界文化はパリという中心に向かっていったのです。
 ブルックナーとシューマンは、いっけん無関係のようにもみえますが、シューマンの管弦楽法の射程はこの時代にまで及んでいます。ただ、ブルックナーはずっと宗教的で、リストにもそうした面があります。リストはピアノの名手ではありま したが、お金や権力からはっきりと距離をとった、文学・宗教・音楽を一身に兼ねそなえた、いわば「音楽の修道僧」です。もっとも、世の中から身を引くにつれ周囲の関心はますます高くなっていったわけですが。他の作曲家たちに多大な影響を与えました。交響曲《イタリアのハロルド》の最後について、「ハロルドは我を忘れ、ここで自然と一体化したいと願う」とリストがコメントしていますが、そのとおり。ちょうど《ファウストの劫罰》で、ファウストが最後に地獄に堕ちるようにハロルドは次第に声を発さなくなり、声は最後に、たち消えてゆきます。ベルリオーズはリストに感化されていたのか、同時代の作曲家たちが共有していたものか実に興味深い。

1803年
フランス南部で生まれる
1821年
パリで医学生となる
1822年
パリ音楽院に出席
1825年
サン・ロッシュ教会でコンサートを開く
1830年
ローマ大賞受賞
1832年
ハリエット・スミスソンと結婚
1854年
マリー・レシオと結婚
1869年
パリで死去

  


2025年04月18日

【歴史的音盤】反復を敢行した最初の録音◉メンゲルベルク指揮ニューヨーク・フィル◯ベートーヴェン・交響曲3番《英雄》

SPレコードの面白み盤を裏返したらまた同じ音楽が流れてきた! プレスのミスか? いやいや、『英雄』の第1楽章提示部の反復を敢行した最初の録音。

【SP盤】GB HMV D.B.1599 WILLEM MENGELBERG Beethoven SYMPHONY No.3 IN E FLAT MAJOR, Op.55 (
【SP盤】GB HMV D.B.1599 WILLEM MENGELBERG Beethoven SYMPHONY No.3 IN E FLAT MAJOR, Op.55 ("EROICA")
 収録曲は、ベートーヴェン作曲の交響曲第3番《英雄》。1930年録音。D.B.1599, D.B.1600, D.B.1601, D.B.1602, D.B.1603,D.B.1604, D.B.1605 7枚が揃っています。

 メンゲルベルクを聴くなら後年のアムステルダム・コンセルトヘボウとのもの、一般的にはそう思われている。しかしながら、このニューヨーク時代も十分に個性的であり、完成度の高いものだということがわかる。音質に関しても、強いハム音が混入したりして、ばらつきのあるテレフンケン盤に比べれば、この英 H.M.V.の録音の方がずっと安定している。

 ウィレム・メンゲルベルクは19世紀末から20世紀半ばにかけて活躍したオランダの大指揮者であり、トスカニーニ、ワルター、フルトヴェングラーを含むいわゆる「四大巨匠」の一人である。彼は必要とあらば楽譜上の指示を自己流に変更し、お馴染みの作品から瞠目すべきニュアンスを引き出して音楽的効果を上げる達人だった。そのロマン主義的なスタイルと、細部の表現に徹底してこだわる奏者泣かせの名人芸は、多くの音楽ファンを魅了し、一時代を築いた。
 ウィレム・メンゲルベルクは1871年3月28日にオランダのユトレヒトに生まれ、オランダとドイツで音楽教育を受け、1891年にルツェルン市立管弦楽団の指揮者に就任。1895年にアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の指揮者に就任してからは、50年間の長きにわたってこのオーケストラを一流の演奏集団に育て上げた。1920年代にはニューヨーク・フィルの指揮台にも立ち、絶大な影響力を及ぼしたが、最終的にはアルトゥーロ・トスカニーニとの権力闘争に敗れ、ポストを明け渡している。戦後は不遇で、戦時中ナチスの招待を受けてドイツやフランスで指揮したため糾弾され、指揮活動を禁じられた。その後スイスに移住し、1951年3月22日に亡くなった。

 「英雄」は後年のテレフンケン盤が有名だが、こちらも捨てがたい。同時期録音のEMI盤などと比べても、音は比較的良い。演奏もメンゲルベルク的特徴は随所に聴かれるが、それでも結構端正で驚いた。テンポは常に揺れているが、テレフンケン盤のように不自然ではないし、フレーズの処理や、トランペットの扱いが特徴的な管楽器の音色など、まさにメンゲルベルクそのものです。また、テレフンケン盤や同時期のライヴ録音よりも、ずっと若々しいのも魅力だ。なお、この時代に第1楽章の提示部が繰り返されているのは、非常に珍しく、テレフンケン盤では反復は行われていない。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

商品名
【SP盤】GB HMV D.B.1599 WILLEM MENGELBERG Beethoven SYMPHONY No.3 IN E FLAT MAJOR, Op.55 ("EROICA")
レコード番号
D.B.1599, D.B.1600, D.B.1601, D.B.1602, D.B.1603,D.B.1604, D.B.1605
作曲家
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
オーケストラ
ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団
指揮者
ウィレム・メンゲルベルク
レコード状態
EX
製盤国
GB(イギリス)盤

販売価格・品番リンク

1st Movement -Allegro con brio (1st Record)/(2nd Record) HMV D.B.1599

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(300g)。
  • 品番18340
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
1st Movement -Allegro con brio (3rd Record)/(4th Record) HMV D.B.1600

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(320g)。
  • 品番18339
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
1st Movement -Allegro con brio (5th Record)/2nd Movement -Marcia funebre -Adagio assai (1st Record) HMV D.B.1601

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(290g)。
  • 品番18338
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
2nd Movement -Marcia funebre -Adagio assai (2nd Record)/(3rd Record) HMV D.B.1602

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(300g)。
  • 品番18337
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
2nd Movement -Marcia funebre -Adagio assai (4th Record)/3rd Movement -Scherzo -Allegro vivace (1st Record) HMV D.B.1603

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(320g)。
  • 品番18363
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
3rd Movement -Scherzo -Allegro vivace (2nd Record)/4th Movement -Finale -Allegro molto (1st Record) HMV D.B.1604

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(300g)。
  • 品番18362
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
4th Movement -Finale -Allegro molto (2nd Record)/(3rd Record) HMV D.B.1605

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(290g)。
  • 品番18361
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
詳細の確認、特別価格での購入手続きは品番のリンクから行えます。
プライバシーに配慮し、会員登録なしで商品をご購入いただけます。梱包には無地のダンボールを使用し、伝票に記載される内容はお客様でご指定可能です。郵便局留めや運送会社営業所留めの発送にも対応しております。
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2025年04月08日

【歴史的音盤】反復を敢行した最初の録音◉メンゲルベルク指揮ニューヨーク・フィル◯ベートーヴェン・交響曲3番《英雄》

SPレコードの面白み盤を裏返したらまた同じ音楽が流れてきた! プレスのミスか? いやいや、『英雄』の第1楽章提示部の反復を敢行した最初の録音。

【SP盤】GB HMV D.B.1599 WILLEM MENGELBERG Beethoven SYMPHONY No.3 IN E FLAT MAJOR, Op.55 (
【SP盤】GB HMV D.B.1599 WILLEM MENGELBERG Beethoven SYMPHONY No.3 IN E FLAT MAJOR, Op.55 ("EROICA")
 収録曲は、ベートーヴェン作曲の交響曲第3番《英雄》。1930年録音。D.B.1599, D.B.1600, D.B.1601, D.B.1602, D.B.1603,D.B.1604, D.B.1605 7枚が揃っています。

 メンゲルベルクを聴くなら後年のアムステルダム・コンセルトヘボウとのもの、一般的にはそう思われている。しかしながら、このニューヨーク時代も十分に個性的であり、完成度の高いものだということがわかる。音質に関しても、強いハム音が混入したりして、ばらつきのあるテレフンケン盤に比べれば、この英 H.M.V.の録音の方がずっと安定している。

 ウィレム・メンゲルベルクは19世紀末から20世紀半ばにかけて活躍したオランダの大指揮者であり、トスカニーニ、ワルター、フルトヴェングラーを含むいわゆる「四大巨匠」の一人である。彼は必要とあらば楽譜上の指示を自己流に変更し、お馴染みの作品から瞠目すべきニュアンスを引き出して音楽的効果を上げる達人だった。そのロマン主義的なスタイルと、細部の表現に徹底してこだわる奏者泣かせの名人芸は、多くの音楽ファンを魅了し、一時代を築いた。
 ウィレム・メンゲルベルクは1871年3月28日にオランダのユトレヒトに生まれ、オランダとドイツで音楽教育を受け、1891年にルツェルン市立管弦楽団の指揮者に就任。1895年にアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の指揮者に就任してからは、50年間の長きにわたってこのオーケストラを一流の演奏集団に育て上げた。1920年代にはニューヨーク・フィルの指揮台にも立ち、絶大な影響力を及ぼしたが、最終的にはアルトゥーロ・トスカニーニとの権力闘争に敗れ、ポストを明け渡している。戦後は不遇で、戦時中ナチスの招待を受けてドイツやフランスで指揮したため糾弾され、指揮活動を禁じられた。その後スイスに移住し、1951年3月22日に亡くなった。

 「英雄」は後年のテレフンケン盤が有名だが、こちらも捨てがたい。同時期録音のEMI盤などと比べても、音は比較的良い。演奏もメンゲルベルク的特徴は随所に聴かれるが、それでも結構端正で驚いた。テンポは常に揺れているが、テレフンケン盤のように不自然ではないし、フレーズの処理や、トランペットの扱いが特徴的な管楽器の音色など、まさにメンゲルベルクそのものです。また、テレフンケン盤や同時期のライヴ録音よりも、ずっと若々しいのも魅力だ。なお、この時代に第1楽章の提示部が繰り返されているのは、非常に珍しく、テレフンケン盤では反復は行われていない。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

商品名
【SP盤】GB HMV D.B.1599 WILLEM MENGELBERG Beethoven SYMPHONY No.3 IN E FLAT MAJOR, Op.55 ("EROICA")
レコード番号
D.B.1599, D.B.1600, D.B.1601, D.B.1602, D.B.1603,D.B.1604, D.B.1605
作曲家
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
オーケストラ
ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団
指揮者
ウィレム・メンゲルベルク
レコード状態
EX
製盤国
GB(イギリス)盤

販売価格・品番リンク

1st Movement -Allegro con brio (1st Record)/(2nd Record) HMV D.B.1599

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(300g)。
  • 品番18340
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
1st Movement -Allegro con brio (3rd Record)/(4th Record) HMV D.B.1600

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(320g)。
  • 品番18339
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
1st Movement -Allegro con brio (5th Record)/2nd Movement -Marcia funebre -Adagio assai (1st Record) HMV D.B.1601

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(290g)。
  • 品番18338
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
2nd Movement -Marcia funebre -Adagio assai (2nd Record)/(3rd Record) HMV D.B.1602

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(300g)。
  • 品番18337
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
2nd Movement -Marcia funebre -Adagio assai (4th Record)/3rd Movement -Scherzo -Allegro vivace (1st Record) HMV D.B.1603

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(320g)。
  • 品番18363
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
3rd Movement -Scherzo -Allegro vivace (2nd Record)/4th Movement -Finale -Allegro molto (1st Record) HMV D.B.1604

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(300g)。
  • 品番18362
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
4th Movement -Finale -Allegro molto (2nd Record)/(3rd Record) HMV D.B.1605

"LARGE DOG IN SEMI-CIRCLE" WITH GOLD LETTERING, 78s 1枚組(290g)。
  • 品番18361
  • 特別価格2,200円(税込)
  • 通常価格2,750円(税込)
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2025年04月07日

どれだけでも大音量で聴ける名録音★メータ指揮ロサンゼルス・フィル○チャイコフスキー・交響曲第3番

通販レコードのご案内このような価値のあるアナログ録音の傑作は是非とも LP でも聴かなければならない。

GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番

《英国プレス、ffrr 銀文字レッド・ラベル盤》GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番


 メータとロサンゼルス・フィルの1970年代の相性は良く、肉付きの良い骨格の太い造形を見せつつ金管、木管がとても色彩的且つ澄明な響きの音楽をつくっていたようで、極めて健康的なチャイコフスキーと言える好演。そのオーケストラ・サウンドは明晰さと明るさに支配され、しかも芯のある重量感も併せ持つ。そうしたメータとロサンゼルス・フィルでチャイコフスキーの交響曲全6曲を1977年8月に一気呵成に録音した。
 メータの解釈は奇を衒うことのない正統なもので、全6曲は満遍なくバランスが宜しい。その前に立ちはだかるのは超弩級の演奏。「悲愴」は洗練と情熱においてカラヤン/ベルリン・フィル (EMI) による弩級の演奏があり、第4番にはモントゥー/ボストン響 (RCA) の名演もある。これらは多くの音楽ファンの間で長い間愛聴されてきたものです。
 エンジニアはジェームズ・ロックで、集中的に行われた録音セッションにより音質はレベルが揃っています。それを成し得たのも“名曲・名演奏・名録音と三拍子揃ったレコード文化”が創りあげた、アナログの素晴らしい録音があるからである。
 指揮者とオーケストラの関係は最高、録音は超優秀と理想的なアナログ条件が整った。チャイコフスキーの全集の中で最も音の良いものでしょう。録音で買うならこれ。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レーベル
LONDON
レコード番号
CS7154
作曲家
ピョートル・チャイコフスキー
オーケストラ
ロサンジェルス・フィルハーモニック
指揮者
ズービン・メータ
録音種別
STEREO
製盤国
GB(イギリス)盤

RED WITH SILVER LETTERING, STEREO 140グラム盤, Release 1978, Stamper 4G/3G。

1977年8月録音、エンジニアはジェームズ・ロック。

優秀録音、名演、名盤

コンディション

ジャケット状態
EX
レコード状態
EX

販売レコードのカバー、レーベル写真

  • GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番
  • GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番

通販レコード

詳細の確認、特別価格での購入手続きは品番のリンクから行えます。
  • オーダー番号14628
  • 特別価格2,420円(税込)
  • 通常価格3,080円(税込)
「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。


入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。

  


2025年04月02日

イメージから程遠くドラマティック過ぎる◉フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル◯ベートーヴェン・交響曲6番「田園」

弦楽器の美しいウィーン・フィルの特質が活き、
十分に歌わせ柔らかく艶やかな音色が
音楽に寄り添って、かつての田園風景に誘います。
フルトヴェングラーの録音のなかでは
音の彫りが深く、ヌケが良く
ウィーン・フィルの弦楽、木管、ホルン等が美しく聴こえます。


CDはアマゾンで購入できます。



そこがフルトヴェングラーの悪い癖、いや、超スローテンポが次第に加速していく意思的な表現になっているところがフルトヴェングラーらしい。

 ピリオド楽器演奏や、ベートーヴェン時代の音楽習慣が研究されて、それを反映した現代の演奏に慣れきると、巨大なスケールに驚かされる。この曲の持つ一般的イメージからはほど遠い・深刻かつ重い表現です。
 極めて遅いテンポで、じっくりと始まって徐々に巨大に高揚していく。特に第1楽章と第2楽章は異様に思えるほどにテンポが遅い表現で、一部評論家からはフルトヴェングラーの「田園」はドラマティック過ぎるという評が昔出ていたほどだが、それも頷ける。しかし、音楽が停滞したりもたれると感じることは全く有りません。
 先輩格のニキッシュから習得したという指揮棒の動きによっていかにオーケストラの響きや音色が変わるかという明確な確信の元、自分の理想の響きをオーケストラから引き出すことに成功していったフルトヴェングラーは、次第にそのデモーニッシュな表現が聴衆を圧倒する。当然、彼の指揮するオペラや協奏曲もあたかも一大交響曲の様であることや、テンポが大きく変動することを疑問に思う聴衆もいたが、所詮、こうした指揮法はフルトヴェングラーの長所、特徴の裏返しみたいなもので一般的な凡庸指揮者とカテゴリーを異にするフルトヴェングラーのキャラクタとして不動のものとなっている。
 全く機械的ではない指揮振りからも推測されるように、楽曲のテンポの緩急が他の指揮者に比べて非常に多いと感じます。しかし移り変わりがスムーズなため我々聴き手は否応なくその音楽の波に揺さぶられてしまうのである。
 フルトヴェングラーはブラームスを評して「非常に客観的な音楽家」といい、「音楽における客観とは、音楽と精神、精神と音楽が結び付いてひとつになった時に起こるのである」といっています。この偉大な指揮者はブラームスの音楽は彼の哲学そのものであると喝破したのです。それは、そのままベートーヴェンにも当てはまり。それがドイツの交響曲に対する彼の表現方法なのだろう。
 ここでは弦楽器の美しいウィーン・フィルの特質が活き、十分に歌わせ柔らかく艶やかな音色が音楽に寄り添って、かつての田園風景に誘います。超スローテンポで始まる前半。第2楽章が特に遅い。一方、第5楽章は次第に少しずつ速くなっていってしまう。しかし、それはテンポを支える内容の濃さを持っている事にほかならない。
 フルトヴェングラーの音楽を讃えて、「音楽の二元論についての非常に明確な観念が彼にはあった。感情的な関与を抑制しなくても、構造をあきらかにしてみせることができた。彼の演奏は、明晰とはなにか硬直したことであるはずだと思っている人がきくと、はじめは明晰に造形されていないように感じる。推移の達人であるフルトヴェングラーは逆に、弦の主題をそれとわからぬぐらい遅らせて強調するとか、すべてが展開を経験したのだから、再現部は提示部とまったく変えて形造るというような、だれもしないことをする。彼の演奏には全体の関連から断ち切られた部分はなく、すべてが有機的に感じられる。」とバレンボイムの言葉を確信しました。これが没後半世紀を経て今尚、エンスーなファンが存在する所以でしょう。

通販レコードのご案内フルトヴェングラーだけが成し得た、人間感情の吐露が神々しさと凌ぎ合っているところに魅力を覚えるのです。

《英初期ラージ・ドッグ・セミサークル金文字盤》GB EMI ALP1041 フルトヴェングラー ベートーヴェン・交響曲6番「田園」
GB EMI ALP1041 フルトヴェングラー ベートーヴェン:交響曲6番「田園」
 戦後のスタジオ録音でフルトヴェングラーの録音の中では音が良い。 ― 一概にフルトヴェングラーの音が悪いというのは、演奏された響きに対して録音の響きが浅いのだ。 ― フルトヴェングラーの EMI 録音のなかでは音の彫りが深く、ヌケが良くウィーン・フィルの弦楽、木管、ホルン等が美しく聴こえます。フルトヴェングラーの音に悩まずに済むレコードです。スタジオ録音。

プロダクト

レコード番号
ALP1041
作曲家
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
オーケストラ
ウィーン・フィハーモニー管弦楽団
指揮者
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
録音種別
MONO

1952年録音。

販売レコードのカバー、レーベル写真

  • GB EMI ALP1041 フルトヴェングラー ベートーヴェン:交響曲6番「田園」
  • GB EMI ALP1041 フルトヴェングラー ベートーヴェン:交響曲6番「田園」
EARLY LARGE DOG WITH GOLD LETTERING。

コンディション

ジャケット状態
EX
レコード状態
EX++
製盤国
GB(イギリス)盤

通販レコード

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
  • オーダー番号28104
  • 販売価格13,200円(税込)
詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。プライバシーに配慮し、会員登録なしで商品をご購入いただけます。梱包には無地のダンボールを使用し、伝票に記載される内容はお客様でご指定可能です。郵便局留めや運送会社営業所留めの発送にも対応しております。

ヴィルヘルム・フルトヴェングラーは、つねにトスカニーニ、ワルターと並称される20世紀最大の巨匠であるが、その役割は、ただ指揮者として偉大であったというばかりでなく、唯物的感覚的な今日の音楽認識世界のなかで、正統的ロマン主義を意義づけ、音楽の思弁的有機的意味を復活した、というような点でも歴史的存在なのである。

フルトヴェングラー年譜

1886年(明治19) 0歳
1月25日、ベルリンにて誕生。父は高名な考古学者アドルフ・フルトヴェングラー(1853~1907)。
1906年(明治39) 20歳
2月19日、カイム管弦楽団(現在のミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団)を指揮してデビュー。ベートーヴェンの“献堂式”序曲とブルックナーの交響曲第9番を演奏。
1922年(大正11) 36歳
1月23日に急逝したアルトゥール・ニキシュ(1855~1922)の後任として、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団(1928年まで)およびベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任。
1926年(大正15) 40歳
10月16日、初録音。曲目はウェーバーの歌劇“魔弾の射手”序曲。
1927年(昭和2) 41歳
フェリックス・ワインガルトナー(1863~1942)の後継としてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者に就任(1930年まで)。
1933年(昭和8) 47歳
9月15日、プロイセン枢密顧問官に就任。11月15日には帝国音楽院副総裁に就任。
1934年(昭和9) 48歳
11月25日、ドイッチェ・アルゲマイネ・ツァイトゥンク日曜版に「ヒンデミット事件」と題した論文を投稿。ヒンデミットの歌劇“画家マチス”を上演禁止したナチスと対立。12月5日、プロイセン枢密顧問官および帝国音楽院副総裁を辞任。1935年3月に両者和解し、指揮台に復帰する。
1937年(昭和12) 51歳
10月8日と11月3日、戦前最高の名盤と謳われたベートーヴェンの交響曲第5番を録音。
1942年(昭和17) 56歳
4月19日、ヒトラー生誕前夜祭でベートーヴェンの交響曲第9番を指揮。
1944年(昭和19) 58歳
12月、戦災に苦しむ同胞のためウィーン、ムジークフェラインザールにてベートーヴェンの交響曲第3番“英雄(エロイカ)”を放送用に録音。1953年にアメリカ、ウラニア社がレコード化し「ウラニアのエロイカ」として有名な録音となる。
1945年(昭和20) 59歳
1月28日、ウィーン・フィル定期演奏会へ戦前の最後の出演。1月30日にウィーンを発ちスイスへ亡命。第2次大戦終結後、連合軍から戦時中のナチ協力を疑われ、演奏禁止処分を受ける。
1947年(昭和22) 61歳
5月25日、「非ナチ化」裁判の無罪判決をうけ、戦後初めてベルリン・フィルの指揮台に立つ。曲目はベートーヴェンの交響曲第5番“運命”、同第6番“田園”ほか。
1948年(昭和23) 62歳
10月24日、ベルリンでブラームスの交響曲第4番を指揮。実況録音が巨匠没後の1959年にLP化され、同曲最高の名演の一つと言われるようになる。
1951年(昭和26) 65歳
7月29日、バイロイト音楽祭再開記念演奏会でベートーヴェンの交響曲第9番を指揮(7月29日)。このときの録音は彼の没後にLP発売され「バイロイトの第9」として有名になる。
1952年(昭和27) 66歳
11月26、27日、EMIへベートーヴェンの交響曲第3番“英雄”をセッション録音。同曲録音集、また巨匠のセッション録音中でも屈指の名盤との評価を得る。
1953年(昭和28) 67歳
5月14日、DGへシューマンの交響曲第4番をセッション録音。巨匠の最も優れたレコーディングとして知られるもので、音楽之友社刊『新編名曲名盤300』でもこの曲のベスト・ワンとして推されている名盤。
1954年(昭和29) 68歳
11月30日、ドイツ、バーデン=バーデンにて肺炎により死去。

初期盤・クラシックレコード専門店「RECORD SOUND」

入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。

  


2025年04月02日

どれだけでも大音量で聴ける名録音★メータ指揮ロサンゼルス・フィル○チャイコフスキー・交響曲第3番

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GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番

《英国プレス、ffrr 銀文字レッド・ラベル盤》GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番


 メータとロサンゼルス・フィルの1970年代の相性は良く、肉付きの良い骨格の太い造形を見せつつ金管、木管がとても色彩的且つ澄明な響きの音楽をつくっていたようで、極めて健康的なチャイコフスキーと言える好演。そのオーケストラ・サウンドは明晰さと明るさに支配され、しかも芯のある重量感も併せ持つ。そうしたメータとロサンゼルス・フィルでチャイコフスキーの交響曲全6曲を1977年8月に一気呵成に録音した。
 メータの解釈は奇を衒うことのない正統なもので、全6曲は満遍なくバランスが宜しい。その前に立ちはだかるのは超弩級の演奏。「悲愴」は洗練と情熱においてカラヤン/ベルリン・フィル (EMI) による弩級の演奏があり、第4番にはモントゥー/ボストン響 (RCA) の名演もある。これらは多くの音楽ファンの間で長い間愛聴されてきたものです。
 エンジニアはジェームズ・ロックで、集中的に行われた録音セッションにより音質はレベルが揃っています。それを成し得たのも“名曲・名演奏・名録音と三拍子揃ったレコード文化”が創りあげた、アナログの素晴らしい録音があるからである。
 指揮者とオーケストラの関係は最高、録音は超優秀と理想的なアナログ条件が整った。チャイコフスキーの全集の中で最も音の良いものでしょう。録音で買うならこれ。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レーベル
LONDON
レコード番号
CS7154
作曲家
ピョートル・チャイコフスキー
オーケストラ
ロサンジェルス・フィルハーモニック
指揮者
ズービン・メータ
録音種別
STEREO
製盤国
GB(イギリス)盤

RED WITH SILVER LETTERING, STEREO 140グラム盤, Release 1978, Stamper 4G/3G。

1977年8月録音、エンジニアはジェームズ・ロック。

優秀録音、名演、名盤

コンディション

ジャケット状態
EX
レコード状態
EX

販売レコードのカバー、レーベル写真

  • GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番
  • GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番

通販レコード

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  • オーダー番号14628
  • 特別価格2,420円(税込)
  • 通常価格3,080円(税込)
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入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。

  


2025年03月28日

どれだけでも大音量で聴ける名録音★メータ指揮ロサンゼルス・フィル○チャイコフスキー・交響曲第3番

通販レコードのご案内このような価値のあるアナログ録音の傑作は是非とも LP でも聴かなければならない。

GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番

《英国プレス、ffrr 銀文字レッド・ラベル盤》GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番


 メータとロサンゼルス・フィルの1970年代の相性は良く、肉付きの良い骨格の太い造形を見せつつ金管、木管がとても色彩的且つ澄明な響きの音楽をつくっていたようで、極めて健康的なチャイコフスキーと言える好演。そのオーケストラ・サウンドは明晰さと明るさに支配され、しかも芯のある重量感も併せ持つ。そうしたメータとロサンゼルス・フィルでチャイコフスキーの交響曲全6曲を1977年8月に一気呵成に録音した。
 メータの解釈は奇を衒うことのない正統なもので、全6曲は満遍なくバランスが宜しい。その前に立ちはだかるのは超弩級の演奏。「悲愴」は洗練と情熱においてカラヤン/ベルリン・フィル (EMI) による弩級の演奏があり、第4番にはモントゥー/ボストン響 (RCA) の名演もある。これらは多くの音楽ファンの間で長い間愛聴されてきたものです。
 エンジニアはジェームズ・ロックで、集中的に行われた録音セッションにより音質はレベルが揃っています。それを成し得たのも“名曲・名演奏・名録音と三拍子揃ったレコード文化”が創りあげた、アナログの素晴らしい録音があるからである。
 指揮者とオーケストラの関係は最高、録音は超優秀と理想的なアナログ条件が整った。チャイコフスキーの全集の中で最も音の良いものでしょう。録音で買うならこれ。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レーベル
LONDON
レコード番号
CS7154
作曲家
ピョートル・チャイコフスキー
オーケストラ
ロサンジェルス・フィルハーモニック
指揮者
ズービン・メータ
録音種別
STEREO
製盤国
GB(イギリス)盤

RED WITH SILVER LETTERING, STEREO 140グラム盤, Release 1978, Stamper 4G/3G。

1977年8月録音、エンジニアはジェームズ・ロック。

優秀録音、名演、名盤

コンディション

ジャケット状態
EX
レコード状態
EX

販売レコードのカバー、レーベル写真

  • GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番
  • GB LONDON CS7154 ズービン・メータ チャイコフスキー・交響曲3番

通販レコード

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  • オーダー番号14628
  • 特別価格2,420円(税込)
  • 通常価格3,080円(税込)
「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。


入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。