
2024年08月06日
名曲、名演、名録音を満喫◉アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団 レスピーギ・ローマの噴水/ローマの松
明るいカラフルな響きのなかにもくっきりとした陰影 ―
説得力のある演奏。
ヴィクトリアホールの美しい響きを
見事にとらえた優秀録音。
CDはアマゾンで購入できます。
通販レコードのご案内レスピーギの華麗なオーケストレーションを忠実に再現した、アンセルメの模範的演奏。

(指揮)エルネスト・アンセルメ
(管弦楽)スイス・ロマンド管弦楽団
(曲目)レスピーギ・ローマの松/ローマの噴水
「アッピア街道の松」に古代ローマの楽器をイメージして指定されているバンダのブッチーナ(Buccina)はサクソルン族を使用しています。
レスピーギの代表作、ローマの松とローマの噴水は、カラフルでダイナミックなオーケストレーションで有名だが、本盤は、アンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団の名コンビの演奏で、デッカの鮮明な録音も手伝い、レスピーギのオーケストレーションがくっきりと浮かんでくる。演奏のほうも説得力がある。
オーケストラは音程が不正確だったり、縦の線がずれていたりといった乱れもありますが、アンセルメならではのテンポ設定のうまさが光る明晰さ、明るいカラフルな響きのなかにも陰影をくっきりとつけていて、フレンチスタイルの鄙びたバソンの響きも古典的な雰囲気にうまく合っていました。
なお「アッピア街道の松」に古代ローマの楽器をイメージして指定されているバンダのブッチーナ(Buccina)はサクソルン族を使用しています。水牛の角のような形状の金管楽器でバルブやピストンもなく自然倍音を奏でるしか無い、この楽器は1930年代にドイツのアレキサンダー社によって復元されナチスドイツの親衛隊が吹いている写真も存在しますが、レスピーギがこの楽器の音を実際に聞いたのかという事実はわかりません。現実のスコアには自然倍音以外の音も記譜がされており、レスピーギ自身は、ソプラノとテナーについてはフリューゲルホルン、バスについてはユーフォニウム若しくはバリトンを想定していたようです。
1963年1月スイス、ジュネーブのヴィクトリア・ホールでの録音。火事により失われてしまったヴィクトリアホールの響きを見事に捕らえた録音も良く、オルガンの重低音にうまく乗ったオーケストラの響きが空間に豊麗に拡散していく様子がはっきりとわかります。
通販レコード詳細・コンディション、価格
プロダクト
- レコード番号
- SPA227
- 作曲家
- オットリーノ・レスピーギ
- オーケストラ
- スイス・ロマンド管弦楽団
- 指揮者
- エルネスト・アンセルメ
- 録音種別
- STEREO
コンディション
- ジャケット状態
- M-
- レコード状態
- M-
- 製盤国
- GB(イギリス)盤
レーベル・ガイド
通販レコード
- オーダー番号34-23673
- 販売価格3,300円(税込)
2024年08月06日
ダイナミックで強固なライナー RCA録音はほどよい威圧感からはなれ、澄み切ったひとつの境地をみせる。

最小限の肉体的動作によって最大限の音楽的効果をもたらす。
指揮棒の代わりに活発に動いていたのが「目」である。眼光は鷲のように鋭く、ミスを犯した奏者は、その目で睨まれると生きた心地がしなかったという。ただ、演奏がうまくいった時は団員たちと握手したり、気に入った団員のことを「息子」と呼んだりする一面もあった。
音楽に対して小細工することなく、妥協を許さない姿勢。その演奏を「厳格」「ザッハリヒ」と評する人もいるが、そこには油絵のような艶やかさもあり、体操選手の筋肉のような柔軟さや弾力性もある。ここに選んだRCA録音は晩年の演奏であったことも、ほどよい威圧感からはなれ、澄み切ったひとつの境地をみるようです。
Living Stereoの優秀録音・名盤
アメリカの地に骨を埋めたフリッツ・ライナーはその晩年を、手兵のシカゴ交響楽団とともにアメリカRCAレコードに数多くの録音を残し、その優れた演奏の数々は録音から、60年近く経つ今でも名盤定番として高く評価されています。ハンガリーで生まれたのは1888年で、アメリカで没するのが1963年ですから、ライナーの指揮姿を観れることは数々あることではないのですが、1946年のアメリカ映画「カーネギー・ホール」でハイフェッツがソロを取るチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の伴奏をしていました。それを観たくらいではなんとも言えないことですが、身振りの小さな指揮姿だったと書物には残っています。若いときはドレスデン宮廷歌劇場で指揮をしていたこと、宮廷楽長のリヒャルト・シュトラウスの指導の影響も大きかったのでは、と理由づけられています。
歌劇場では数多くのオペラのオーケストラピットに立ったでしょうし、ヨーロッパで活躍していたのでベートーヴェン、ブラームスの交響曲にも一家言は持っていただろうと想像します。しかしながら残念なことに、RCA録音にはライナーが演奏したオペラや、ベートーヴェン、ブラームスの録音は少ないのですが、今回選んだ6枚は、そこに肉薄してみたかったのでした。
ライナーの演奏の特徴はまずそのダイナミックで強固な音楽作りにあります。小細工することなく、楽曲の持ち味を純粋に引き出すタイプなので、曲によっては一聴すると意外とあっさりして味けないものに聴こえるかもしれません。しかしじっくり聴いてみると、その引き締まった音楽と妥協を許さない姿勢が聴き手に感動を与えます。特にRCAに録音されたレコードにその特徴が出ていると思います。晩年の演奏であったことも、かつての彼の頑固さ、ほどよい威圧感からはなれ、澄み切ったひとつの境地をみるようで大変興味深いものがあります。
- GB RCA SB2007 フリッツ・ライナー ブラームス:交響曲3番
- ◉ライナー得意のブラームスの名演。意外なことに手兵シカゴ交響楽団との公式録音はこの3番のみ。ステレオ初期を代表する名演・名録音です。英国デッカ・プレスED1相当品。
- US RCA LSC2581 ヴァン・クライバーン フリッツ・ライナー ブラームス「ピアノ協奏曲第2番」
- ◉1958年、第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したヴァン・クライバーンは、一躍アメリカのヒーローとなり、60年代に次々と超一流オーケストラ・指揮者とのコンサートやレコーディングを行いました。このブラームス・ピアノ協奏曲第2番もそうした録音の一つで、ライナー=シカゴ交響楽団とのセッション録音。個性的な演奏で発売当時は賛否両論巻き起こった一枚です。シェード・ドッグ初出盤。
- US RCA LSC2462 フリッツ・ライナー ドビュッシー「海」/リヒャルト・シュトラウス「ドン・ファン」
- ◉ドビュッシーの「海」はライナー唯一の録音。特に弱奏でのデリケートなニュアンスが聴きもの。第3曲のコーダではファンファーレの入るスコアを使用している。「ドン・ファン」は1960年の録音で、ライナー=シカゴ響としては1954年盤に続く再録音。解釈の緻密さはそのままによりスケールが大きくなった解釈を刻印している。シェード・ドッグ盤。
- GB RCA/DECCA VICS1294 フリッツ・ライナー ファリャ「三角帽子」/グラナドス「ゴイエスカス」/アルベニス「イベリア」
- ◉1954年は、まだステレオは実験段階だったと思うが、当時の先進企業米国RCAは、いち早くステレオ技術を取り入れ、見事な録音を行っていたのである。個々まではっきり分離するステレオは、生の音とはやや趣を異にするとはいえ、やはりすごい。スタジオ録音とはとても思えない熱気を孕んでいる。一発取りをしたとしか思えない怒濤の極みです。英国デッカプレス英国初出盤。
- US RCA LSC2695 レオンティン・プライス/フリッツ・ライナー ベルリオーズ「夏の夜」/ファリャ「恋は魔術師」
- ◉手兵シカゴ響はライナーの厳格な統制の下、隅々にまで行き届いた緊張感があり、指揮者特有の美学に貫かれた名演が展開されています。シェード・ドッグ初版。
- US RCA LSC2695 レオンティン・プライス/フリッツ・ライナー ベルリオーズ「夏の夜」/ファリャ「恋は魔術師」
- ◉「夏の夜」では歌手プライスの素晴らしさ、音色がライナーの演出するダイナミズムに華を添えています。ホワイト・ドッグ2版。
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2024年08月06日
ストラディヴァリウスの個性を引き出している*ミルシテイン ヨッフム指揮ウィーン・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲
通販レコードのご案内汗が散る様子すら容易に目に浮かぶ。ミルシテンの感情が深いところから完全に音にのって現れてくるのが伝わる。ヴァイオリンの貴公子と呼ばれたミルシテインの、この気品はオーディオにこだわって再生して楽しみたいものだ。

「彼は古今東西最も音が明瞭・透明なヴァイオリニストだ」とイツァーク・パールマン( Itzhak Perlman )は評していたようです。そのミルシテインは練習の虫で「もっと明瞭なフレージングができる指使いを発見したぞ」と友人に話し聴かせる事も多々あったようですが、演奏スタイルは「超絶技巧」を前面に出さず音色もフレージングも非常に明瞭で独特の気品があり、艶やかで匂い立つ様な色気に満ちた素晴らしいものです。
ミルシテインは、ブラームスのスタジオ録音を3種残した。最後になった本盤の録音ではミルシテインが70歳過ぎであるが、テクニックは衰えていない。どの演奏も過剰にテクニックをひけらかさず、過剰な感情移入も避けている。オーケストラのスケールの大きさ上手さではオイゲン・ヨッフム指揮ウィーン・フィルが一頭ぬきんでていて、ミルシテインはそれに一歩も引かない素晴らしい独奏を繰り広げている。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲のカデンツァには大半がヨアヒムのもので、あとはクライスラーのものが演奏されることが多いが、ミルシテインは3度の録音いずれでもミルシテインの自作のものが用いられている。この演奏は文句無く最高で、他の追随を許さず超然としています。
この演奏を聞くとまず、これがスタジオ録音であるが、あたかもライヴのように生々しく、びりびり伝わってくるものがあります。そんな目の前で弾かれているかのような実在感と緊張感があるのは、ミルシテンの感情が深いところから完全に音にのって現れてくるからでしょう。汗が散る様子すら容易に目に浮かぶ物凄い熱演です。
通販レコード詳細・コンディション、価格
プロダクト
- レコード番号
- 2530 592
- 作曲家
- ヨハネス・ブラームス
- 演奏者
- ナタン・ミルシテイン
- オーケストラ
- ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- 指揮者
- オイゲン・ヨッフム
- 録音種別
- STEREO
コンディション
- ジャケット状態
- M-
- レコード状態
- M-
- 製盤国
- DE(ドイツ)盤
通販レコード
オーダーは | 品番 / 34-25966 |
販売価格 | 4,400円(税込) |
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