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2024年08月06日

名曲、名演、名録音を満喫◉アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団 レスピーギ・ローマの噴水/ローマの松

アンセルメならではのテンポ設定のうまさが光る明晰さ、
明るいカラフルな響きのなかにもくっきりとした陰影 ―
説得力のある演奏。
火事により失われしまう
ヴィクトリアホールの美しい響き
見事にとらえた優秀録音。

Respighi: Pines of Rome/Founta
L'Orchestre de la Suisse Romande
Eloquence Australia
2010-03-16



CDはアマゾンで購入できます。



通販レコードのご案内レスピーギの華麗なオーケストレーションを忠実に再現した、アンセルメの模範的演奏。

GB DEC SPA227 アンセルメ レスピーギ・ローマの松/ローマの噴水
GB DECCA SPA227
(指揮)エルネスト・アンセルメ
(管弦楽)スイス・ロマンド管弦楽団
(曲目)レスピーギ・ローマの松/ローマの噴水

「アッピア街道の松」に古代ローマの楽器をイメージして指定されているバンダのブッチーナ(Buccina)はサクソルン族を使用しています。


レスピーギの代表作、ローマの松とローマの噴水は、カラフルでダイナミックなオーケストレーションで有名だが、本盤は、アンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団の名コンビの演奏で、デッカの鮮明な録音も手伝い、レスピーギのオーケストレーションがくっきりと浮かんでくる。演奏のほうも説得力がある。
オーケストラは音程が不正確だったり、縦の線がずれていたりといった乱れもありますが、アンセルメならではのテンポ設定のうまさが光る明晰さ、明るいカラフルな響きのなかにも陰影をくっきりとつけていて、フレンチスタイルの鄙びたバソンの響きも古典的な雰囲気にうまく合っていました。
なお「アッピア街道の松」に古代ローマの楽器をイメージして指定されているバンダのブッチーナ(Buccina)はサクソルン族を使用しています。水牛の角のような形状の金管楽器でバルブやピストンもなく自然倍音を奏でるしか無い、この楽器は1930年代にドイツのアレキサンダー社によって復元されナチスドイツの親衛隊が吹いている写真も存在しますが、レスピーギがこの楽器の音を実際に聞いたのかという事実はわかりません。現実のスコアには自然倍音以外の音も記譜がされており、レスピーギ自身は、ソプラノとテナーについてはフリューゲルホルン、バスについてはユーフォニウム若しくはバリトンを想定していたようです。

1963年1月スイス、ジュネーブのヴィクトリア・ホールでの録音。火事により失われてしまったヴィクトリアホールの響きを見事に捕らえた録音も良く、オルガンの重低音にうまく乗ったオーケストラの響きが空間に豊麗に拡散していく様子がはっきりとわかります。

伝説のホールで幾多の名録音が生み出された ― ジュネーヴのヴィクトリア・ホールは優れた音響を誇るうえに、レコーディング・スタジオとしても最適でした。指揮台の頭上に吊るしたデッカツリーといわれる3本のマイクロフォンのみで収録されたにもかかわらず、圧倒的な色彩感と空間性が再現されています。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レコード番号
SPA227
作曲家
オットリーノ・レスピーギ
オーケストラ
スイス・ロマンド管弦楽団
指揮者
エルネスト・アンセルメ
録音種別
STEREO

販売レコードのカバー、レーベル写真

  • GB DEC SPA227 アンセルメ レスピーギ・ローマの松/ロー…
  • GB DEC SPA227 アンセルメ レスピーギ・ローマの松/ロー…

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
GB(イギリス)盤
BLUE WITH SILVER LETTERING, STEREO 1枚組 (120g), Stamper 1W/2W

レーベル・ガイド

SPAシリーズ》英DECCA社の廉価版シリーズは、1960年前後に第1の廉価盤シリーズ「Ace of Clubs/Ace of Diamond」を発売します。その後、1970年代に入ると第2の廉価盤シリーズ「Eclipse」を発売します。そして、第3の廉価盤シリーズとして「The World of Great Classics」として「SPAシリーズ」を発売します。本盤は、その第3の「SPAシリーズ」なのですが、クラシック入門編といった趣で演奏者の全然違う録音を組み合わせた編集も多く、コレクション的には価値が低いものの、音質的にもSXLシリーズより僅かスッキリした感はありますが、DECCA社らしい高音質(Hi-Fi)となっています。同じソースでも、SXLオリジナルの1/5~1/10程度の費用で入手できるので、コストパフォーマンスの高い盤としてオススメできます。

通販レコード

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
  • オーダー番号34-23673
  • 販売価格3,300円(税込)
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Posted by WoodStockR at 16:30Comments(0)通販レコード管弦楽曲

2024年08月06日

ダイナミックで強固なライナー RCA録音はほどよい威圧感からはなれ、澄み切ったひとつの境地をみせる。

GB RCA SB2007 フリッツ・ライナー ブラームス:交響曲3番

最小限の肉体的動作によって最大限の音楽的効果をもたらす。

フリッツ・ライナーはスパルタ型の指揮者で、オーケストラ相手に君主として振る舞い、ちょっとでも演奏が気に入らないと即座に解雇していた。ライナーの指揮は動きが小さく、後方にいる楽団員たちからは非常に見づらかったという。その結果として、楽団員の集中力が極限まで高められ、アンサンブルの緊密さが増し、ライナーが指揮棒を1センチ動かすだけで稲妻のような強奏を炸裂させた。
指揮棒の代わりに活発に動いていたのが「目」である。眼光は鷲のように鋭く、ミスを犯した奏者は、その目で睨まれると生きた心地がしなかったという。ただ、演奏がうまくいった時は団員たちと握手したり、気に入った団員のことを「息子」と呼んだりする一面もあった。
音楽に対して小細工することなく、妥協を許さない姿勢。その演奏を「厳格」「ザッハリヒ」と評する人もいるが、そこには油絵のような艶やかさもあり、体操選手の筋肉のような柔軟さや弾力性もある。ここに選んだRCA録音は晩年の演奏であったことも、ほどよい威圧感からはなれ、澄み切ったひとつの境地をみるようです。

Living Stereoの優秀録音・名盤

アメリカの地に骨を埋めたフリッツ・ライナーはその晩年を、手兵のシカゴ交響楽団とともにアメリカRCAレコードに数多くの録音を残し、その優れた演奏の数々は録音から、60年近く経つ今でも名盤定番として高く評価されています。
ハンガリーで生まれたのは1888年で、アメリカで没するのが1963年ですから、ライナーの指揮姿を観れることは数々あることではないのですが、1946年のアメリカ映画「カーネギー・ホール」でハイフェッツがソロを取るチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の伴奏をしていました。それを観たくらいではなんとも言えないことですが、身振りの小さな指揮姿だったと書物には残っています。若いときはドレスデン宮廷歌劇場で指揮をしていたこと、宮廷楽長のリヒャルト・シュトラウスの指導の影響も大きかったのでは、と理由づけられています。
歌劇場では数多くのオペラのオーケストラピットに立ったでしょうし、ヨーロッパで活躍していたのでベートーヴェン、ブラームスの交響曲にも一家言は持っていただろうと想像します。しかしながら残念なことに、RCA録音にはライナーが演奏したオペラや、ベートーヴェン、ブラームスの録音は少ないのですが、今回選んだ6枚は、そこに肉薄してみたかったのでした。
ライナーの演奏の特徴はまずそのダイナミックで強固な音楽作りにあります。小細工することなく、楽曲の持ち味を純粋に引き出すタイプなので、曲によっては一聴すると意外とあっさりして味けないものに聴こえるかもしれません。しかしじっくり聴いてみると、その引き締まった音楽と妥協を許さない姿勢が聴き手に感動を与えます。特にRCAに録音されたレコードにその特徴が出ていると思います。晩年の演奏であったことも、かつての彼の頑固さ、ほどよい威圧感からはなれ、澄み切ったひとつの境地をみるようで大変興味深いものがあります。

  • GB RCA SB2007 フリッツ・ライナー ブラームス:交響曲3番
  • 34-29276
  • US RCA LSC2581 ヴァン・クライバーン ブラームス「ピア…
  • 34-29252
  • US RCA LSC2581 ヴァン・クライバーン フリッツ・ライナー ブラームス「ピアノ協奏曲第2番」
  • ◉1958年、第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝したヴァン・クライバーンは、一躍アメリカのヒーローとなり、60年代に次々と超一流オーケストラ・指揮者とのコンサートやレコーディングを行いました。このブラームス・ピアノ協奏曲第2番もそうした録音の一つで、ライナー=シカゴ交響楽団とのセッション録音。個性的な演奏で発売当時は賛否両論巻き起こった一枚です。シェード・ドッグ初出盤。
  • US RCA LSC2462 フリッツ・ライナー ドビュッシー「海」…
  • 34-29259
  • GB RCA|DECCA VICS1294 フリッツ・ライナー ファ…
  • 34-29262
  • US RCA LSC2695 レオンティン・プライス|フリッツ・ライ…
  • 34-29248
  • US RCA LSC2695 レオンティン・プライス|フリッツ・ライ…
  • 34-29247

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2024年08月06日

ストラディヴァリウスの個性を引き出している*ミルシテイン ヨッフム指揮ウィーン・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲

通販レコードのご案内汗が散る様子すら容易に目に浮かぶ。ミルシテンの感情が深いところから完全に音にのって現れてくるのが伝わる。ヴァイオリンの貴公子と呼ばれたミルシテインの、この気品はオーディオにこだわって再生して楽しみたいものだ。

DE DGG 2530 592 ミルシテイン/ヨッフム/ウィーンフィル ブラームス ヴァイオリン協奏曲《独ブルーライン盤》DE DGG 2530 592 ミルシテイン&ヨッフム/ウィーン・フィル ブラームス・ヴァイオリン協奏曲 演奏家としては同門のハイフェッツと同じく傑出した超絶技巧の持ち主ではあったが、それを前面に押し出す演奏には消極的だった。むしろイザイを通じて身につけた、歌心と美音を尊重するベルギー楽派の優美な演奏スタイルが際立っている。そのためしばしばミルシテンはヴァイオリンの貴公子と称される。同門のハイフェッツやエルマン比してアクは少ない。しかしその音楽は決して退屈なものではなく、時にはフランス流エスプリ色の強い堅固に構築された音楽の中からほとばしる情熱を垣間見せる。
「彼は古今東西最も音が明瞭・透明なヴァイオリニストだ」とイツァーク・パールマン( Itzhak Perlman )は評していたようです。そのミルシテインは練習の虫で「もっと明瞭なフレージングができる指使いを発見したぞ」と友人に話し聴かせる事も多々あったようですが、演奏スタイルは「超絶技巧」を前面に出さず音色もフレージングも非常に明瞭で独特の気品があり、艶やかで匂い立つ様な色気に満ちた素晴らしいものです。
 ミルシテインは、ブラームスのスタジオ録音を3種残した。最後になった本盤の録音ではミルシテインが70歳過ぎであるが、テクニックは衰えていない。どの演奏も過剰にテクニックをひけらかさず、過剰な感情移入も避けている。オーケストラのスケールの大きさ上手さではオイゲン・ヨッフム指揮ウィーン・フィルが一頭ぬきんでていて、ミルシテインはそれに一歩も引かない素晴らしい独奏を繰り広げている。
 ブラームスのヴァイオリン協奏曲のカデンツァには大半がヨアヒムのもので、あとはクライスラーのものが演奏されることが多いが、ミルシテインは3度の録音いずれでもミルシテインの自作のものが用いられている。この演奏は文句無く最高で、他の追随を許さず超然としています。
 この演奏を聞くとまず、これがスタジオ録音であるが、あたかもライヴのように生々しく、びりびり伝わってくるものがあります。そんな目の前で弾かれているかのような実在感と緊張感があるのは、ミルシテンの感情が深いところから完全に音にのって現れてくるからでしょう。汗が散る様子すら容易に目に浮かぶ物凄い熱演です。
1974年12月ウィーン、ムジークフェラインザールでのギュンター・ブリースト、ギュンター・ヘルマンスによる優秀録音、名盤

通販レコード詳細・コンディション、価格

Nathan MILSTEIN, Eugen JOCHUM/ Wiener Philharmoniker – BRAHMS: VIOLIN CONCERTO – Deutsche Grammophon 2530 592

プロダクト

レコード番号
2530 592
作曲家
ヨハネス・ブラームス
演奏者
ナタン・ミルシテイン
オーケストラ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮者
オイゲン・ヨッフム
録音種別
STEREO
ドイツ初出 BLUE LINE, STEREO 1枚組(140g),Release 1975。

販売レコードのカバー、レーベル写真

DE DGG 2530 592 ミルシテイン/ヨッフム/ウィーンフィ…
DE DGG 2530 592 ミルシテイン/ヨッフム/ウィーンフィ…

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
DE(ドイツ)盤
《ブルーラインラベル》外周が青の二重線で囲まれたものです。

通販レコード

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
 
オーダーは品番 / 34-25966
販売価格4,400円(税込)
「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。


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