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2024年09月29日

真の永遠のベストセラー◉名演にも勝るカール・リヒターの高潔な演奏と解釈 ミュンヘン・バッハ管 バッハ・マタイ受難曲

カール・リヒターの代名詞的録音ともいわれる、決定的名盤。バッハ演奏において一時代を築いたリヒターの最初の「マタイ受難曲」の録音で、その後のバッハ演奏、あるいは「マタイ」演奏に多大な影響を与えた録音。


DE ARC SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ・マタイ受難曲

《独ステレオ・カーヴ with silver "Alle Hersteller“ ED1 布張りボックス、背表紙「逆さ文字」最初期盤》DE ARCHIV SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ・マタイ受難曲

旧東ドイツの牧師の息子に生まれたリヒターは、1950年代から70年代に峻厳な気迫を湛えた入魂の演奏で、現代人の心に強くアピールする清新なバッハ像を打ち立てた。
 バッハの《マタイ受難曲》は宗教音楽の金字塔というだけでなく、〝人類最高の音楽遺産〟ともいうべき不滅の傑作である。日本の音楽ファンにも、そう確信させたのが1969年5月の東京で、リヒターが手兵のミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団と演奏した《マタイ受難曲》であったかもしれない。バッハの化身とまで謳われ、20世紀のバッハ演奏に大きな足跡を残したカール・リヒターによる《マタイ受難曲》は現在4つの録音があり、本盤は1958年録音盤。レコード発売以来、恐らく日本だけで50万セット以上は売れたであろう、クラシックのレコード史上に輝く作品。
 リヒターによるバッハ演奏、なかでも大作《マタイ受難曲》(1958年録音)から始まったここでの4大宗教作品の録音は、それまでの伝統に立脚した解釈・演奏とは一線を画したものとして、今日のバッハ演奏として定着した感のあるオリジナル楽器にも匹敵し、それらをも上回るリヒターの確信と解釈とによって絶大な名声を博してきました。なかでも《マタイ受難曲》は1959年のレコードによる発売以来、CD時代となった現在でも、その演奏水準の高さ、各ソリストの名演、そして何にも勝るリヒターの高潔な演奏と解釈が普遍性を示したものとして、真の永遠のベストセラーとして支持され続けてきました。
 バッハが作曲した「マタイ受難曲」が西洋音楽の最高峰だという事には殆ど誰も異論を挟まない。この曲を知らずに死んでもどうって事は無いが、人類最大の音楽遺産を聴く喜びを知らずに死んだ事になる、と多くの先人が書いているし私も同感だ。イエスの死と復活を扱ったこの曲はキリスト教を信じるか、信じないかを超越したところで誰もが深い精神性と感動を味わうことができる。冒頭の第1曲の合唱「来れ、娘たちよ、われとともに嘆け」が始まるとともに、これから語られる受難の物語の壮大な幕開けの緊迫感に圧倒されてしまいます。やがて天から降ってくるかのようなミュンヘン少年合唱団の合唱がこれまた緊張感を持って合唱に加わる。素晴らしいのはアリアや合唱だけでなく、テノールのヘフリガーの福音史家の語りが素晴らしいのはこの盤の魅力にもなっています。音楽の力としか言いようがないほど、強烈な説得力で語りかけてきます。それらをひとまとめにしての極めつけはヘルタ・テッパーによるアリア「憐れみ給え、我が神よ」はバッハを唄う不世出のアルトを実感させる。「憐れみ給え、我が神よ」は〝ペテロの否認〟の後、ひたすら神の許しを乞うて歌われる美しく厳粛なアリアだ。印象的なヴァイオリンのオブリガート(助奏)が、神の慈悲を表しているようだ。実際、涙を流しながら歌う歌手もいるという。
1958年6月-8月ミュンヘン、ヘラクレスザール録音。

ヴィンテージレコード詳細

プロダクト

Karl Richter ‎– Johann Sebastian Bach / Passio Secundum Matthæum (Matthäus-Passion)
レコード番号
SAPM198 009/12
作曲家
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
演奏者
エルンスト・ヘフリガー キート・エンゲン イルムガルト・ゼーフリート アントニー・ファーベルク ヘルタ・テッパー ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ マックス・プレープストル エッケハルト・ティーツェ ヘトヴィヒ・ビルグラム
オーケストラ
ミュンヘン・バッハ管弦楽団
指揮者
カール・リヒター
録音種別
STEREO
STEREO CURVED with silver "Alle Hersteller“ ED1, STEREO FLAT 4枚組 (180g/170g/160g/170g), 布張りボックス、ブックレット及びレコーディング・データシート付属、背表紙「逆さ文字」最初期盤。

ヴィンテージレコードのカバー、レーベル写真

DE ARC SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ…
DE ARC SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ…
DE ARC SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ…
DE ARC SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ…

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
EX+
製盤国
DE(ドイツ)盤
ARCHIV》シルバーと青は、アルヒーフレーベルのシンボル・カラー。ドイツ・グラモフォンの社内に置かれた音楽史研究部門として、1947年に誕生し、古楽器の音楽を専門に扱っているレーベルである。ヴァルヒャ、リステンパルト、レーマンらによるバッハ作品の録音より開始され、その後オリジナル楽器復興として重要な、ヴェンツィンガーとバーゼル・スコラ・カントールムによる演奏や、決定的な名盤になった、カール・リヒターの「マタイ受難曲」などを録音。録音、演奏とも高水準を維持してきたわけではないが、その歴史的音楽資料としての価値は計り知れないものがある。デジタル録音の開始により、サウンドは安定期に入っており、1980年頃からは、ピノック、ガーディナー、ゲーベルらと契約を結び、古楽復興の重要なレーベルとなってきた。
アルヒーフ・レーベルのステレオ時代のレーベルは、銀色のベースにレーベルの周囲に二本の青色の線が印刷された、一般に「ブルーラインレーベル」から始まる。そのなかでも、ステレオ初期盤のレーベルは、12時の位置に「STEREO」の表記がみられる。次の世代になると、この「STEREO」表記はなくなる。
この頃のアルヒーフ・レーベルの名盤としてはカール・リヒターが残した数多くのバッハの名作を中心とした名録音を上げることができる。「マタイ受難曲」そして「ヨハネ受難曲」、数多くのカンタータそして、管弦楽組曲などの器楽曲はいまでも、バッハ演奏の模範として多くのファンを魅了している。

通販レコード

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
オーダーは 品番 / 23261
販売価格 41,800円(税込)
プライバシーに配慮し、会員登録なしで商品をご購入いただけます。梱包には無地のダンボールを使用し、伝票に記載される内容はお客様でご指定可能です。郵便局留めや運送会社営業所留めの発送にも対応しております。
入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。

  


2024年09月29日

指揮者百傑・祖国のオーケストラが存続の危機を迎えるたびに駆けつけた名指揮者ヴァーツラフ・ノイマン〜名盤・稀少盤縁起

厳格なまでにリズムの正確さにこだわった演奏。

9月29日は指揮者、ヴァーツラフ・ノイマンが生まれた日(Václav Neumann, 1920年9月29日〜1995年9月2日)。チェコのプラハ生まれ。プラハ音楽院在学中に学友と組んだ弦楽四重奏団は、戦後はスメタナ弦楽四重奏団の名称でデビュー。同時にチェコ・フィルハーモニー管弦楽団のヴィオラ奏者を務め、1948年からは指揮活動に専念し、同楽団の国際的な名声を築き上げることに貢献した。クーベリック首席指揮者時代のチェコ・フィルの常任指揮者を50年まで務めました。1968年にチェコ事件が発生。チェコ・フィルの首席指揮者だったカレル・アンチェルがソ連による迫害を恐れてカナダに亡命すると、母国の名門であり古巣でもあるチェコ・フィルの首席指揮者に就任。その危機を救うとともに、同団を20年に渡って率いて世界的水準を維持しました。黄金のコンビとも言われ、レパートリーはドヴォルザークやヤナーチェクなど自国の作曲家が多い。チェコ・フィルを振った名指揮者の中でも、ボヘミアの土の匂いが一番薄い指揮者。先輩のターリヒやアンチェル、あるいがクーベリックと比較して、もっとも洗練された音楽を展開する。ノイマンの芸風にはある種の生真面目さが感じられましたが、晩年には練れた解釈が大きな余裕と暖かさを感じさせるものに変化して素晴らし演奏を聴かせました。厳格なまでにリズムの正確さにこだわった演奏は日本でも人気に。1969年の初来日以降、9度来日し、1976年の来日の際にはチェコ・フィルとプラハ・フィル合唱団でベートーヴェンの第9交響曲をレコーディングしている。ノイマンの確信のある指揮ぶりで、横の流れよりも縦のリズムを重視した演奏で、勢いだけに流されない引き締まった演奏を聴かせて魅了しました。

極みのヴィンテージ名盤JP SUPRAPHON OX1116S ヨセフ・スーク ドヴォルザーク ヴァイオリン協奏曲/ロマンス

  • ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は、かの有名なチェロ協奏曲に比べれば録音も多くはありませんが、これは基準となる一枚。ドヴォルザークの曾孫でありチェコを代表する名ヴァイオリニストのヨセフ・スク(ヨゼフ・スークとも)を迎えて、これまたチェコを代表するノイマン&チェコ・フィルの演奏を地元のスプラフォンが録音するという、これ以上ない組み合わせ。
  • JP SUPRAPHON OX1116S ヨセフ・スーク ドヴォルザーク ヴァイオリン協奏曲/ロマンス
スーク・トリオのメンバーでもあるヴァイオリンのヨゼフ・スークがソリストを務めたドヴォルザークの協奏曲で、ノイマン自身も元々、スーク・トリオと共にチェコを代表するスメタナ弦楽四重奏団の創設時のメンバー(ヴィオラ)であったこともあり、ソリストの意向と指揮者、オーケストラとのバランスが非常に良い演奏としても発売以来愛好家の多い録音です。スークは激しい生命力や訴えかけ、懐かしい愛情のほとばしり、暖かい親しみ、チャーミングな節まわしで、豊かな郷土色と一体化して聴く者の心に涙をにじませる。1つ1つの音が完全に身についており、自分の音楽として表現している。ノイマンの指揮は音楽を意味深く語りかけつつ、美感を保持した見事なもの。スークの素晴らしい反応と熱情的なまでの表現が印象的です。本場、というだけではなく、チェコの伝統と格式、自然な表現やフレージングなど、今日でも第1線の録音であるばかりでなく、スーク2度目のヴァイオリン協奏曲は特に、決定盤として評価されてきました。
録音はスプラフォン独特の、高域に艶が乗ったあたたかみのあるサウンド。倍音成分と楽器の実在感が感じられる、ヴァイオリン・パートの統一感のある音色に加え、当時の木管・金管の特徴あるサウンドは今聴いても素晴らしいものがあります。1978年1月20-27日プラハ、ルドルフィヌム録音、名演、名盤


CDはamazonで購入できます。

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲
フッフロ(ヨゼフ)
日本コロムビア
2004-12-22


正統的な解釈、シンプルな美しさ、本家の強みを思い知らされる名演として名高い75年盤。

ヴィンテージ名盤の聴きどころJP SUPRAPHON OB7281-2 ノイマン スメタナ・わが祖国

1968年のプラハの春音楽祭のオープニングで《わが祖国》を指揮したカレル・アンチェルは、その直後に亡命。アンチェルの後を継いで同オーケストラの主席指揮者として返り咲いたのが、当時ライプツィヒ・ゲヴァントハウスの音楽監督だったノイマンで、彼はラファエル・クーベリック亡命後の一時期、常任指揮者としてチェコ・フィルを委ねられていた。そしてアンチェル亡命後もソヴィエトの軍事介入を受けながらオーケストラを守り抜いて彼らの全盛期を築き上げた。
スメタナの連作交響詩『わが祖国』は、歴史的に外部からの度重なる苦難を強いられ、そして奇しくもこの曲が作曲された後の時代にも、更に国家的な危機を迎えなければならなかったチェコの民衆の愛国心を鼓舞し続けた、チェコの象徴とも言える作品だ。作曲家スメタナはこの連作交響詩『わが祖国』をチェコの首都プラハに捧げている。
  • JP SUPRAPHON OB7281-2 ノイマン スメタナ・わが祖国
  • 祖国ボヘミアの歴史と自然があやなす一遍の叙事詩。日本からの要請によりノイマン=チェコ・フィルが比類のないスケールと緻密さで描く香り高い交響詩。「わが祖国」の決定盤として長らく愛聴されてきた名演。ノイマンとチェコ・フィルのコンビが充実の極みを迎えていた1975年にセッションで収録された名録音です。
ここでもチェコ・フィルは弦のしなやかな響きと管、打楽器の機動性が相俟って鮮烈な情景描写を表出している。
ノイマン自身はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と「わが祖国」の録音を1967年に行っていたため、この録音は2度目となります。チェコ・フィルにとって「わが祖国」の録音は、他のどの曲にも代えがたい厳粛かつ伝統に根差した行いであり、それは現在でも脈々と受け継がれていると思われます。これまで様々なイベントや名演がチェコ・フィルから生まれてきました。ノイマンにとっては、レコーディングとしてチェコ・フィルの首席指揮者就任直後から進めてきたドヴォルザークの交響曲全集&管弦楽作品集(1968-73年)に続いての重要な作品であり、特に前任者であるアンチェル時代の名盤との比較も含め、この1975年録音時にはオーケストラともども、相当な想いで収録を行ったのでしょう。テンポの取り方も中庸をわきまえた、ごく正統的な解釈を貫いている。
この曲を祖国への滾るような想いを秘めて演奏したのはカレル・アンチェルで、ノイマンは冷静なアプローチの中に緻密なオーケストレーションを再現し、しっかりした曲の造形を示している。
後のノイマン3回目となるスプラフォンのチェコ・フィルとのライヴ録音と比べても緊張感があり、さらに格調高い表現に大変感銘を受ける、まさに歴史に残る名盤となりました。
1975年2月/3月プラハ、芸術家の家での録音、1975年の日本コロムビア・ゴールデン・ディスク賞を受賞している。


CDはamazonで購入できます。

スメタナ:わが祖国
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
日本コロムビア
2010-08-18


アナログ録音の特性を活かした極めて良好な、自然で柔軟な音質。

ヴィンテージ名盤の聴きどころCZ SUPRAPHON SUA 1110 2968 ノイマン ドヴォルザーク・序曲集

1968年の「プラハの春」でのソヴィエトの軍事介入によってチェコ国民の愛国心がいやがうえにも高揚していた時期と重なって、彼らの2回目の交響曲全集録音時に比較して、遥かに高いモチベーションとなっていた3回目の交響曲全集。
  • 1963年アンチェルの後釜としてチェコフィルに復帰、そのチェコ・フィルに影響を残したまま隣国旧東独ライプチヒ・ゲバントハウス首席指揮者に就任、西側にもチェコにノイマン有りと知れ渡った。こうしてチェコと東独二股に掛ける充実した日々を送った集大成。
  • CZ SUPRAPHON SUA 1110 2968 ノイマン ドヴォルザーク・序曲集
ドヴォルザークの交響曲は、ワーグナーやブラームス、西欧的アカデミズム、そして露骨な民族主義など多様なスタイルが見て取れるが、ノイマンは最初の演奏から既に揺るぎないスタンスと解釈で綿密に対応していることがよくわかる。ノイマン&チェコ・フィルのライフ・ワークとしてのポリシーに基いた、極めて燃焼度の高いドヴォルザーク演奏会用序曲集に仕上げられている。
  1. 序曲《自然の中で》作品91 B.168
  2. 序曲《謝肉祭》作品92 B.169
  3. 序曲《オセロ》作品93 B.174
  4. 序曲《わが故郷》作品62 B.125a
録音は総てプラハにある「芸術家の家」ルドルフィヌムのドヴォルザーク・ホールで行われた。1885年開場の歴史的コンサート・ホールで、現在でもチェコ・フィルの活動拠点にもなっているが、堂々たる風格の建築と内部の残響が潤沢なことでもヨーロッパを代表する演奏会場に名を連ねている。1982年録音。チェコ・フィルの長所でもある明るい弦の響きの瑞々しさとオーケストラの軽快な機動力が充分に捉えられている。

自然で、無理のない歌をチェロは奏で、伴奏のノイマンが素晴らしい!チェロ付交響曲第10番といえようほどにシンフォニック。

この若かりし女流奏者のしなやかで力強い演奏は忘れ去られるには惜しい。 知名度に乏しく現在どういう活動しているのか不明なのだが、かつて札幌冬季オリンピックの時に、夏のミュンヘン五輪との関係で来日したミュンヘン・フィルのソリストとして同行してハイドンの協奏曲を演奏したことで記憶されるチェリストだった。普通に読んでしまうと、アンジェリカ・メイ(Angelica May)となりがちながら、ドイツ生まれの彼女なので、アンゲリカ・マイとなる。ピアノのリヒター・ハーザー、そしてパイネマン、という、いまや懐かし、そしてまぼろし級のドイツの演奏家と並んでオリンピック時のコンサートはテレビ放送されていた。ケンペが当初より病気がちで来日不能であるため、ノイマンが率いてくる予定だったが、政治的なことからこれも不能となり、地味なベテラン、フリッツ・リーガーとともにやってきた。彼女の経歴は、ピアノとヴァイオリンを学び、本格チェリストを志し、カザルスに認められ、その弟子となり、チェコを中心に、ことにノイマンとの共演によって名声を高めていったとされる。気心の知れたノイマンとチェコフィルとの共演盤はいくつかあるようだが、その代表格はこのドヴォルザークでしょう。

ヴィンテージ名盤の聴きどころDE SUPRAPHON SUA 206 404 アンゲリカ・マイ ドヴォルザーク・チェロ協奏曲

  • DE SUPRAPHON SUA 206 404 アンゲリカ・マイ ドヴォルザーク・チェロ協奏曲
  • マイのチェロ、強く印象づけられるようなものではないのですが、実に自然で、無理のない演奏です。特に第2楽章など秋の深まる抒情、あるいは静かな夕暮れ時の山の家で黄昏のひと時を過ごしているようにナイーヴで妙に美しい演奏だ。一音一音、丁寧に弾きわける女性らしい輪郭の豊かな演奏に感じます。
多種多様な録音のあるドヴォルザークのチェロ協奏曲ですが、本盤もまた独特の味わいがあります。さりげない一節にも、意図せずとも気持ちのこもったオーケストラの魅力は、渋くもありながら強みでもある。マイのチェロとノイマンとチェコ・フィルは、その抒情性と憂愁の美において完全に一体化してます。もちろん壮大な第3楽章では、豊かなオーケストラにも助けられて朗々と歌いまくります。聴き慣れた部分にも、本場物を感じる。この若かりし女流奏者のしなやかで力強い演奏は忘れ去られるには惜しい。
1983年4月8-10日プラハ、芸術家の家録音


CDはamazonで購入できます。

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲/マルチヌー:チェロと管弦楽のためのソナタ・ダ・カメラ
マイ/ノイマン/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
日本コロムビア
2012-12-19


典雅な演奏ではないが、一服の清涼剤。

ヴィンテージ名盤の聴きどころCZ SUPRAPHON SUA ST50771 ヴァーツラフ・ノイマン シューベルト・交響曲3番/8番「未完成」

シューベルトの2曲は1966年の録音で、ノイマンはマーラーや自国のドヴォルザークでは交響曲全集を残したものの、ベートーヴェンやシューベルトでは一部の曲を録音したのみでした。とは言え、コンサートレパートリーとなっている曲は多く、この録音でも内容は良く練られています。
  • 当時の木管楽器や弦の響きが存分に活かされており、交響曲第3番での快活な動線における独特な楽器の表情など、現代に無い響きも聴くことができます。《未完成》では重厚な表現でありながらも響きは決して沈まない、ノイマンらしいコントロールの妙が興味深く、2曲とも格調高く音楽が自然に感じられるのが特徴です。
  • CZ SUPRAPHON SUA ST50771 ヴァーツラフ・ノイマン シューベルト・交響曲3番/8番「未完成」
1966年3月(3番)、2月(8番) プラハ、ルドルフィヌム録音、Recording directors: Zdenek Zahradnik、Recording engineers: Frantisek Burda


CDはamazonで購入できます。

Symphony 3
Czech Philharmonic
Supraphon
1994-09-20