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2025年04月26日

アナログレコードの文化を守る OYAG SOUND ― 商品価格改定のお知らせ

OYAG試聴室

商品価格改定のお知らせ

 平素よりオヤッグサウンド製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
昨今の原材料費、包装資材費などの継続的な高騰を受け、企業努力によるコスト吸収に努めてまいりましたが、現状の価格維持が困難な状況となっております。
つきましては、誠に心苦しい限りではございますが、2025年4月21日より、全商品の価格を改定させていただくこととなりました。
皆さまにはご負担をおかけいたしますが、今後もより良い製品をお届けできるよう努めてまいりますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
今後ともオヤッグサウンドをよろしくお願いいたします。
2025年3月1日
オヤッグサウンド
代表 南野 勝

OYAGSOUND新価格

  1. OYAG SOUND 価格改定表
  2. LP用
    価格は
    税込み価格
    品名
    現行
    価格
    新価格
    OYAG33-200cc
    990
    1,210
    OYAG33-500cc
    2,090
    2,310
    OYAG33-1000cc
    3,190
    3,410
    OYAG33-2000cc
    5,060
    5,280
    OYAG33-4000cc
    8,030
    8,250

  1. OYAG SOUND 価格改定表
  2. SP用
    価格は
    税込み価格
    品名
    現行
    価格
    新価格
    OYAG78-200cc
    990
    1,210
    OYAG78-500cc
    2,090
    2,310
    OYAG78-1000cc
    3,190
    3,410
    OYAG78-2000cc
    5,060
    5,280
    OYAG78-4000cc
    8,030
    8,250

  1. OYAG SOUND
    価格改定表
  2. LP,SP用
    価格は
    税込
    品名
    現行
    価格
    新価格
    OYAGクロス
    770
    880
4月21日より新価格でお願いします。

アナログレコードの文化を守るOYAG SOUND


OYAG(オヤッグ)レコードクリーナークロス 20枚


OYAGクリーニング液とコンビで使う「OYAGレコードクリーナークロス」でレコードクリーニングがお手軽に安全に行うことが出来ます。
OYAGクロスは長年レコードクリーニングを研究してたどり着いた優れものです。
まずそのしっとりとしたソフトな質感、毛羽立ちが無く、全くレコードを傷つけることがありません、 くまなくレコードの音溝に入り込み汚れを吸い取ります。
しかも強靱で使用後の汚れたクロスを水洗い乾燥することで再び元の質感がよみがえり、再使用ができます。
このように他社では見られないすばらしい特徴をそなえたOYAGクロスはメーカーに直接交渉して開発を依頼し、少量の納品を可能としました。
それにはアナログレコードの文化を守るにはこのクロスがどうしても必要である、と開発者の強い意見がメーカー担当者を動かしたものです。

OYAG レコードクリーナー LP,EP用 200CC【新パッケージ】


見た目にはわからないレコードの汚れは、 ノイズ・傷の原因。 そんな汚れをしっかりと落とし、 汚れ・静電気の発生を抑え、クリアな音が蘇る。
レコードを永く楽しんでいただくために生まれたクリーニング剤です。
長年レコードを愛用してきたオーディオマニアが開発したレコードクリーニング液です。
レコードにOYAG33を滴下し、OYAGクロスで拭き取るだけで、レコードの汚れと静電気を取り新品のような艶がよみがえります。
しかも1度クリーニングしたレコードは静電気の発生が押さえられますので、汚れがつきにくくなります。
OYAGは1液完結タイプですので、簡単で手間がかかりません。
クリーニング後のレコードはノイズが軽減され、ノイズを気にすることなく音楽に集中できます。
そして再生された音はのびのびと今まで聞こえなかった音まで聴こえます。
まるでカートリッジのグレードをワンランクかツーランク上げたような印象をうけます。

  


Posted by WoodStockR at 21:00Comments(0)OYAG SOUNDおしらせ

2025年04月26日

個性は普段着から*イダ・ヘンデル、ベルグルンド、ボーンマス響 シベリウス&ウォルトン・ヴァイオリン協奏曲

無二の個性は普段から発散していた ― ダメであれば最初から弾き直して決してつぎはぎはしなかった。

 ポーランド出身、英国の大女流ヴァイオリニスト ― イダ・ヘンデル(Ida Haendel/1928~2020)は、ヨハンナ・マルツィやジネット・ヌヴーと同世代。カール・フレッシュとエネスコに師事し、彼女の演奏をシゲティも絶賛している。1935年ワルシャワで開催された第1回ヴィエニャフスキ国際コンクールで第7位に入賞(1位はヌヴー、2位がオイストラフ)。ヌヴーが49年に飛行機事故で早世したため、戦後のもっとも有名な女性ヴァイオリニストとなった。鋭いテクニックと、ニュアンスに富んだ音色が特徴的だが、気品よりは感情表出の激しさによって、女性ヴァイオリニストの中でも一頭地を抜いている。ヘンデルは幼少よりフレッシュやエネスコといった大家から音楽やヴァイオリンの基礎を学び、8歳でプロムス・コンサートで華々しくロンドン・デビューを飾ったという天才少女。
 ポーランド出身で Muza にはモノラル時代を含め多くの作品が残っていますが録音嫌いで、録音が極端に少ないためキャリアの割に情報は少なく過去の演奏家に錯覚されてそうだが、今も現役で活躍しています。今なお現役で、2008年に来日したときにスタジオで収録したアルバム『魂のシャコンヌ』(RCA BVCC-31116)が発売された。テクニックや艶やかな音色にはいささかの衰えもみせてはいないが、押しつけがましくない正確な感覚によるスタイル、見事なまでに自由なフレージング、楽曲の大きな方向惟に対する鋭い感覚といったヘンデルの資質は、冷静な正確さや小節レベルの 派手さといった部分的なものにこだわっていないからこそ賞賛される。
 ヘンデルは録音の際には決してつぎはぎはしないそうだ。つまり、ダメであれば小品なら最初から、ソナタであれば楽章単位で弾き直すというわけです。必要以上に細部のミスにこだわったような雰囲気は感じられない。

 ざっと500年続いて絶えていない〝ドイツ音楽〟はベートーヴェンからブラームスを中心に、そこにはシューマン。前後にはバッハやブルックナーまで人それぞれに名前が浮かぶと思います。それに対して、ウォルトンをはじめイギリスの音楽とは20世紀の音楽です。
 ヘンリー・パーセル以来、長らく自国産の作曲家を生み出さなかったため、イギリス音楽は最初にシベリウスの音楽に親近を示し、ウォルトンをはじめ作曲家たちも、その成果を摂取したのでした。民族的なものを昇華することと、表現主義の時代でもあった20世紀にあって、遅れて来た作曲者の輩出は、表現主義的なものの反動でもあった新古典、そして、イギリス紳士らしく微温な保守性が垣間見える作品となりました。また、イギリスとシベリウス録音は縁があり、ベルグルンドの最初のシベリウス交響の全集はイギリスのボーンマス交響楽団との間に為されています。
 20世紀は情報の時代で、戦争中の国民心理をラジオ放送が扇動した。そして、レコードによって全ヨーロッパに広まったのがイギリス、北欧音楽といえるでしょう。北欧のオーケストラの成熟を前にイギリスのオーケストラが支えた。それらのオーケストラを伴奏に、シベリウスやイギリスの作曲家のヴァイオリン協奏曲は、ヤッシャ・ハイフェッツ、ユーディ・メニューインによって広まり、ポーランドの音楽はイダ・ヘンデルも、また取り入れている。

ヴィンテージレコードの紹介《米デジタルリマスター盤》US ANGEL AE-34501 イダ・ヘンデル シベリウス&ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲

 1975年録音の高名なシベリウス・ヴァイオリン協奏曲(ASD3199)のデジタル・リマスター盤。カップリングは「2つのセレナード」、「ユーモレスク5番」からウォルトンの《ヴァイオリン協奏曲》に変更されています。80歳代になっても第一線で活躍し続けた彼女は、その長いキャリアにも関わらず、録音の少ないことで有名です。
  • 生前のシベリウス自身にも認められたというこのヴァイオリン協奏曲は、彼女の代表的名演。シベリウスの美しいメロディをひときわ引き立てる感性と表現力、3楽章での完璧な超絶技巧の冴えは圧巻。シベリウスのスペシャリストであるパーヴォ・ベルグルンドの伴奏も言うことなし。
  • US ANGEL AE-34501 イダ・ヘンデル シベリウス&ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲
 イダ・ヘンデルは鋭いテクニックを持ったヴァイオリニストの一人で英国のエルガー、ウォルトン等の協奏曲はもちろんのことフィンランドのシベリウスの協奏曲も大変得意としており1982年にはその功績にフィンランドの「シベリウス協会」から「シベリウス・メダル」も贈られている。楽器はストラディヴァリウス(1696年製)を使用。
(シベリウス)1975年7月7&8日サザンプトン、ギルドホール録音。(ウォルトン)1977年6月録音。プロデューサー:David Mottley、エンジニア:Neville Boyling。ステレオ録音。

 ヘンデルはヨーロッパ大陸の出身者にもかかわらず、イギリス音楽にも深い関心と理解を示し、英国楽壇への功労が認められ、1991年にはCBEを受勲した。
 エルガーやブリテンの協奏曲を積極的に演奏・録音したほか、ウォルトンの《ヴァイオリン協奏曲》の録音は、この作品の模範的演奏の一つに数えられている。この《ヴァイオリン協奏曲》は、それほど親しまれてはいませんが非常に厳粛でロマンティックな作品であり、とりわけ第2楽章がそのような性質を持つ。特に第3楽章はとりわけバイオリンの超絶技巧が要求され、ダブル・ストップや急速なアルペッジョが目立っている。技巧派のヘンデルが選んだのも無理ない話。聴き終わって、「音楽を聴いた」と感じる録音です。

 イタリア的なものの志向。決して、弦楽器の奏法に精通(せいつう)していなかったウォルトンですが、残された協奏作品であるヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの3つの協奏曲は広く知られています。3曲ともに、要求されるものは高いのに対し、技巧を喧伝するタイプの曲種ではありません。舞曲的な源泉をもち、派手に効果をあげるよりはむしろ抑制されたところに真価を発揮する。1楽章の叙情も、明瞭に光を帯びたそれではなく、ヴェールを帯びたもので、明瞭にそうした輪郭を描かないのもイギリス的なものの体質です。ヴァイオリンもその中でよく歌います。イダ・ヘンデルの演奏は、そこにあって、すべて的確に収められ過不足無く作品の性格を表現する。抒情的な性格は、ベルグルンドの指揮も巧みで、ヴァイオリンも引き立てますが、すでに、ヴァイオリンの技巧がそうしたバランスの中に引き立たせられる書法となっているのです。

レコードのディテール

Walton · Sibelius - Ida Haendel, Bournemouth Symphony Orchestra, Paavo Berglund ‎– Violin Concertos

プロダクト

レコード番号
AE-34501
作曲家
ジャン・シベリウス ウィリアム・ウォルトン
演奏者
イダ・ヘンデル
オーケストラ
ボーンマス交響楽団
指揮者
パーヴォ・ベルグルンド
録音種別
STEREO
製盤国
US(アメリカ合衆国)盤

ヴィンテージレコードのカバー、レーベル写真

US ANGEL AE-34501 イダ・ヘンデル シベリウス&ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲
US ANGEL AE-34501 イダ・ヘンデル シベリウス&ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲
SILVER WITH BLACK LETTERING, STEREO 1枚組(130g), Release 1986。1975年録音の高名なシベリウス・ヴァイオリン協奏曲(ASD3199)のデジタル・リマスター盤。カップリングは2つのセレナード、ユーモレスク5番からウォルトンの協奏曲に変更されています。

  


2025年04月26日

聴きどころ満載★アンセルメ指揮スイス・ロマンド管 ラヴェル・バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲

ヴィンテージレコードの楽しみ冷たく青い光を放ち、時に赤く燃えさかり、時に白熱する。

エルネスト・アンセルメ スイス・ロマンド管弦楽団 ラヴェル 管弦楽曲集 バレエ音楽『ダフニスとクロエ』第2組曲 GB DECCA SPA230

《英ブルー SPA盤》GB DECCA SPA230 アンセルメ ラヴェル・管弦楽曲集


 アンセルメの全然土臭くない都会的な表現。しかし、アンセルメのニュアンスに富んだ表現はまさに絶妙である。フランス的な陰影もタップリでスコアを十全に見据えた解析力を感じます。キビキビとした速いテンポで、この元数学者のマジックにかかると不思議なもので、聴き慣れた名曲に仕上がっているから、さて不思議。アンセルメのポテンシャルを思い知らされた一枚。勿論、デッカの優秀な録音技術も絡んでいますから凄い録音です。

レコードのステレオ録音は、英国 DECCA が先頭を走っていた。1958年より始まったステレオ・レコードのカッティングは、世界初のハーフ・スピードカッティング。 この技術は1968年ノイマン SX-68 を導入するまで続けられました。

CDフォーマットでは切り捨てられる 20kHz 以上の高調波成分が、自然界の音楽信号成分と音楽エネルギーが等価になるので心地いいですし、オーディオファイル盤で優秀録音、生演奏彷彿。

「バレエ音楽の神様」アンセルメ晩年の録音。全盛期のスイス・ロマンド管弦楽団との緊張感あふれる名演奏です。バレエ指揮者としてのキャリアから生み出される、独特のリズム感はさすがです。
【収録曲】
バレエ音楽『ダフニスとクロエ』第2組曲
ラ・ヴァルス
亡き王女のためのパヴァーヌ
道化師の朝の歌
スペイン狂詩曲
『ダフニスとクロエ』は、ラヴェルがギリシャ神話時代の牧歌的なストーリーをもとに作曲した大曲で、アンセルメの表現力が遺憾なく発揮された聴きどころ満載の一枚です。ダイナミックレンジの広い優秀録音がこの曲の魅力をさらに高めています。オーディオファイル盤としても有名。ステレオ録音。
1965年5月ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホールでの優秀録音、名演、名盤。

レコード・ノート

プロダクト

  1. オーケストラ
  2. スイス・ロマンド管弦楽団
  3. 指揮者
  4. エルネスト・アンセルメ
  5. 作曲家
  6. モーリス・ラヴェル
  7. レーベル
  8. DECCA
  9. レコード番号
  10. SPA230
  11. 録音種別
  12. STEREO
  13. 製盤国
  14. GB(イギリス)盤
  15. レコードカルテ
  16. BLUE WITH SILVER LETTERING, STEREO 1枚組(150g), Release1972, Stamper 1W/3W。

レコードのカバー、レーベル写真

エルネスト・アンセルメ スイス・ロマンド管弦楽団 ラヴェル 管弦楽曲集 バレエ音楽『ダフニスとクロエ』第2組曲 GB DECCA SPA230
エルネスト・アンセルメ スイス・ロマンド管弦楽団 ラヴェル 管弦楽曲集 バレエ音楽『ダフニスとクロエ』第2組曲 GB DECCA SPA230
SPAシリーズ》英DECCA社の廉価版シリーズは、1960年前後に第1の廉価盤シリーズ「Ace of Clubs/Ace of Diamond」を発売します。その後、1970年代に入ると第2の廉価盤シリーズ「Eclipse」を発売します。そして、第3の廉価盤シリーズとして「The World of Great Classics」として「SPAシリーズ」を発売します。本盤は、その第3の「SPAシリーズ」なのですが、クラシック入門編といった趣で演奏者の全然違う録音を組み合わせた編集も多く、コレクション的には価値が低いものの、音質的にもSXLシリーズより僅かスッキリした感はありますが、DECCA社らしい高音質(Hi-Fi)となっています。同じソースでも、SXLオリジナルの1/5~1/10程度の費用で入手できるので、コストパフォーマンスの高い盤としてオススメできます。
オリジナルLPも既に30年、40年を経て状態の良いモノが減ってきましたからクリアビニールでのLP再発というのは素直に嬉しいもので、レコードクリーニング技術の向上を考えれば、こうした復刻LPが少なくともこの先50年はアナログレコードで安心して聴いていける機会を保証してくれることでしょう。
然しオリジナルLPに永年親しんできたエンスーなファンとしてはオリジナルLPと再発CD再発LPとの顕著な音の違い、音質の差は勿論ですが全体的な質感、音楽の印象さえ異なって聴こえることにお気づきであると思います。
日本盤の中にはリマスターで音質は向上したものの、妙に明るく元気な音になってしまいオリジナルLPの深みや重みが消えてしまったようなものもあり、やはり本来の音楽性はオリジナルLPを聴かなければわからない作品が多いと思います。

  


2025年04月26日

人気盤★定番 ジャクリーヌ・デュ・プレ、ジャネット・ベイカー バルビローリ指揮ロンドン響 エルガー・チェロ協奏曲、海の絵

Elgar, Jacqueline Du Pré, London Symphony Orchestra, Sir John Barbirolli, Janet Baker – Cello Concerto / Sea Pictures – His Master's Voice – ASD 655

現在でもこの曲の最高の録音の1つとしてレコード・ファンの間でも極めて人気のある一枚。

GB EMI ASD655 デュ・プレ、ベイカー&バルビローリ エルガー:チェロ協奏曲、歌曲集「海の絵」
■同曲屈指の名演であり、オーディオファイル盤としても名高い名盤。初版、2版、3版のアナログ盤が発売されました。再販となる大ニッパーながら、英国本国盤らしくなかなかの高音質です。

GB EMI ASD655 デュ・プレ、ベイカー&バルビローリ エルガー:チェロ協奏曲、歌曲集「海の絵」

  • GB EMI ASD655 デュ・プレ、ベイカー&バルビローリ エルガー:チェロ協奏曲、歌曲集「海の絵」
  • GB EMI ASD655 デュ・プレ、ベイカー&バルビローリ エルガー:チェロ協奏曲、歌曲集「海の絵」
  • 余りにも早くこの世を駆け抜けていってしまったデュ・プレ。短い人生を惜しむかのように激しい気迫と卓越した技巧で圧倒的に迫ります。1971年に発症。その診断結果は心因性のノイローゼだと言われ、不治の病とは誰も思わなかった。5ヶ月間の休息を得て録音したショパンとフランク(ASD2851)が最後になった。
    バックはバルビローリ&ロンドン交響楽団、エルガーをサポートする上では万全な布陣で、耳を()ますとバルビローリの居合いの唸り声が微かに聴こえるのは気合の証拠でしょう。第2面は歌曲集《海の絵》。ここで歌っているジャネット・ベイカーも、まるでマーラーの《亡き子を偲ぶ歌》を思わせ、デュ・プレを偲んでいるようなコントラルトで共感を覚えます。ステレオ録音。

チェロは人の声に近いとされる。― 声楽曲と組み合わされたことを考える。

デュ・プレのレコードは人気があり、高価ですが、この盤はその中では比較的安価で手に入りやすい部類だから彼女の愛好家には嬉しい限りだ。本盤は、ジャネット・ベイカーが歌う歌曲集《海の絵》とのカップリングになった初出。ASD2764 でジャクリーヌ・デュ・プレのディーリアス・チェロ協奏曲との組み合わせのレコードも出ていたことからも、人気が高かったことがわかる。それで、プレス枚数も多かったのでしょうか。
エルガーは冒頭からチェロの見せ場で、デュ・プレの気迫溢れる激しい音が軸となりオーケストラが終始伴奏する感じなのだが、その伴奏もバルビローリの統一された指揮の下、オーケストラも伸び伸びと歌い上げる。彼女のために作曲されたと十分に納得させられる。
1965年優秀録音、名演、名盤。

ヴィンテージレコードプロダクト

  1. レーベル
    EMI
  2. タイトル
    GB EMI ASD655 デュ・プレ、ベイカー&バルビローリ エルガー:チェロ協奏曲、歌曲集「海の絵」
  3. レコード番号
    ASD655
  4. 作曲家
    エドワード・エルガー
  5. 演奏者
    1. ジャクリーヌ・デュ・プレ
    2. ジャネット・ベーカー
  6. オーケストラ
    ロンドン交響楽団
  7. 指揮者
    ジョン・バルビローリ
  8. 録音種別
    STEREO
  9. 製盤国
    GB(イギリス)盤
  10. カルテ(協奏曲)
    NEW NIPPER, STEREO (110g)