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2024年04月11日

名曲名盤縁起 ベートーヴェンが人前で演奏した最後の作品 ベートーヴェン〜ピアノ三重奏曲第7番《大公》より第1楽章

《大公トリオ》初演 ― 1814年4月11日

【新品未開封】DE  EMI  EX29 0834 3 アシュケナー… ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための室内楽曲の最高峰、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番《大公》は、1814年4月11日、ウィーンのホテル「ローマ皇帝」で初演された。ベートーヴェンは44歳、作曲家として円熟の時を迎えていた。しかし、耳はもうほとんど聞こえていなかったので、かつてはピアノの名手だった彼の演奏には昔日の面影はなく、聴衆はスコアを見ないと、この曲の魅力がよく理解できなかったという。
GB EMI COLH29 カザルストリオ ベートーベン・大公② ベートーヴェンの良き理解者であったルドルフ大公に献呈されたことで後に《大公トリオ》と命名された、この曲は全てが既成のピアノ三重奏曲を凌駕していた。優雅な主題で始まる第1楽章(アレグロ・モデラート)からして、雄大で品格の高い音楽の素晴らしさに、聴く者は感動させられる。


ベートーヴェン:大公トリオ ほか
ヤッシャ・ハイフェッツ
SMJ
2016-12-07



CDはアマゾンで
百万ドルトリオの大公トリオ。
このトリオが残したわずかな録音のうち、代表的な2曲を収めたアルバム。昔から知られた名盤ですが、個性の強いスター3人の共演ゆえ、普通の名盤ではありません。室内楽と言えば連想される親密な対話はここにはなく、あるのは、ハイフェッツとルービンシュタインというまったく芸風の違う二人による火花散る真剣勝負に、フォイアマンが絡む図式。これが面白くないはずがありません。本気になった名手たちの真剣勝負は実にスリリング、録音の古さなど忘れてしまうでしょう。

動画の演奏・Ludwig van Beethoven's "Erzherzog Trio" for piano, violin and violoncello, Part 1 Allegro moderato
performed by the "Million Dollar Trio" Artur Rubinstein, Jascha Heifetz and Emanuel Feuermann, 1941.

Ludwig van Beethoven

古典派音楽の集大成かつロマン派音楽の先駆け

(1770.12.16 〜 1827.3.26、ドイツ)
Ludwig van Beethoven
 ボンの宮廷楽団の歌手を父として生まれた。ハイドンにその非凡な才能を見出され、22歳の時ウィーンに出て、ピアニストとして音楽活動を始め、後に作曲に転向した。しかし、次第に聴力を失い、30歳代の半ばには完全な(つんぼ)となり、絶望のあまり死を決意したこともあったが、人類のために作曲することは神に与えられた使命であると考え、その危機を克服した。この時を境に創作態度は一変し、彼は作品の中に人間的、精神的な内容を盛り込むようになった。
 彼の特徴の最もよく現れているのは、9つの交響曲だが、「ピアノ協奏曲」5曲、「ヴァイオリン協奏曲」、「ピアノ・ソナタ」32曲、「弦楽四重奏曲」17曲、「ヴァイオリン・ソナタ」10曲、「チェロ・ソナタ」5曲、また歌劇「フィデリオ」や「荘厳ミサ曲」など、いずれも傑作である。

楽聖ベートーヴェン

 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンという名前は、特にクラシック音楽に興味が無い人でも馴染みがある。そして、その人物像に関しては気難しく癇癪もちで、年中お金に困っていて難聴に負けなかった偉大な作曲家だった印象が一般的だろう。しかし、ここには多くの間違いがある。
 まず、ベートーヴェンは櫛を入れない髪で、着衣に無頓着だった奇人であったという伝説で楽聖ぶりを強調されるが、常識を弁え、そうではなかったらしい。親交の深かったブロイニング家をはじめとする貴族たちと付き合うときは、気品のある衣装を着てとても注意深く振舞っていた、という記録が残っている。
 ただ、貴族社会に馴染み、受け入れられていくほどに、彼の心の中では逆に貴族の生活が嫌らしく思えてきて、彼らの興味の対象である服装などが馬鹿らしく見えたのも事実であろう。

 また、ベートーヴェンは非常に先見ある音楽家であった。代表的なのが「交響曲第9番合唱付き」ですが、当時では交響曲に合唱を入れるというのは異例のことで、一般人からも演奏者からも理解されなかった。リハーサルで多くの歌手たちが初演の前まで、「あまりに器楽的すぎて歌うことが出来ない」と文句を言って来たが、ベートーヴェンは解しなかった。チャイコフスキーとの違いだ。音楽として奏でられると、而して初演は大成功となり多くの批判した者はベートーヴェンに謝罪の言葉を送ったという。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 略歴

1770年
ドイツのボンで生まれる
1776年
父からピアノを学び始める
1778年
ケルンでピアニストデビュー
1785年
宮廷オルガニストとなる
1787年
ウィーンへ旅行し、モーツァルトを訪ねる
1792年
ハイドンに弟子入り
1801年
難聴が始まる、サリエリに師事
1819年
難聴がひどくなる
1827年
死去



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