› 並木通りの音楽ヤ › 2024年04月

2024年04月22日

鬼才指揮者の若き日の名演、優秀録音◉マゼール指揮ウィーン・フィル◯チャイコフスキー・交響曲第4番

鬼才指揮者の超能力!


CDはアマゾンで購入できます。

英デッカの面目躍如といった素晴らしい録音!
チャイコフスキーは録音が良いことは必須です。
細部にこだわり抜くマゼールの芸風との相性も良く、通常では意識しないような細部の音型をシャープに立ち上がらせたり
自在で俊敏なドライヴ感を克明に伝えるなど、当時のマゼールならではの魅力をいっそう際立たせています。

通販レコードのご案内超能力の域。楽譜を熟知した指揮の緻密さは驚嘆すべきものがあった。

GB DECCA SXL6157 マゼール&VPO チャイコフスキー・ 交響曲4番《ED2、オリジナル盤》GB DECCA SXL6157 マゼール&VPO チャイコフスキー・ 交響曲4番

早熟の天才として幼いころからヴァイオリン奏者として名を成し、ニューイヤーコンサートではボスコフスキー再来とばかりに弾き振り感動与えてくれました。彼の指揮のもとで演奏した、ウィーン・フィルの楽団員は記憶力の抜群な指揮者だったと当時を語っていた。譜面をめくること無く、頭のなかでめくりながら指揮をしているようだったという。

ドラマティックな展開に富むこの曲を覇気あふれるタクトで、ぐいぐい引っ張るマゼールの力量が魅力。この曲のカラヤンの演奏はすごい。しかし、そのカラヤンに畏怖を感じさせていたであろうマゼールの音楽もまたすごい。

そんな超才能は、早熟の天才所以もある。8歳で大学オケを指揮してデビュー、9歳でストコフスキーの招きでロサンゼルス・フィルを指揮、さらにトスカニーニに認められNBC交響楽団を指揮、ニューヨーク・フィルにもデビューした。その少年に対して練習中はわざと音を外して嫌がらせをする立派な大人たちに、マゼール少年はプロの指揮者としてその間違いを指摘し健全な人間関係を築いていったという。

このウィーン・フィルとの録音の前に、ドイツ・グラモフォンでベルリン・フィルとの録音もある。30歳の史上最年少でバイロイト音楽祭デビューを飾った時の録音で、わずか数年前までフルトヴェングラーが指揮し、今は帝王カラヤンが君臨する天下のベルリン・フィルを相手にしている。その5年後、名匠カルーショーが(5番のプロデュースを最後に)身を引いた後のことだ。当時のレコード会社の協定では掟破り覚悟のギリギリといえる同一曲の録音をウィーン・フィルで敢行。英国 DECCA 社としてはカラヤンとの契約が継続できるか不安定要素だったのだろう。たとえ保険としてのマゼールの器用だったとして、チャイコフスキーの交響曲、協奏曲をまとまった形で今、私たちは楽しむことができているのは嬉しいことです。

チャイコフスキーは、録音が良いことは必須です。本盤は、クールかつクリアな雰囲気となっており、シベリウス同様チャイコフスキーにもピッタリ。朗々と鳴り渡る金管や明晰なティンパニなどは立派にロシアの雰囲気を醸し出している。決して明るすぎることのないシャープさは、けっして曲想から逸脱してはいません。英国 DECCA 録音の面目躍如といったところでしょうか。素晴らしい録音です。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

GB Decca SXL6157 – Lorin Maazel – Vienna Philharmonic Orchestra – Tchaikovsky ‎– Symphony No.4
品番
34-16384
レコード番号
SXL6157
作曲家
ピョートル・チャイコフスキー
オーケストラ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮者
ロリン・マゼール
録音種別
STEREO

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
GB(イギリス)盤
Producer: Erik Smith
Engineer: Gordon Parry
Recording location: Sofiensaal, Vienna, September 1963 - October 1964
まだ若かったマゼールが、ウィーン・フィルを指揮してデッカにおこなったセッション録音。録音会場は、かつてデッカがウィーン・フィルとのセッション録音に多用したゾフィエンザールで、このホールでの収録時に顕著な生々しいサウンドが演奏の個性をいっそう引き立てています。
「ffss」のロゴ・マークでも知られたその鮮明な響きは細部にこだわり抜くマゼールの芸風との相性も良く、通常では意識しないような細部の音型をシャープに立ち上がらせたり自在で俊敏なドライヴ感を克明に伝えるなど、当時のマゼールならではの魅力をいっそう際立たせていたように思います。
ロマン派交響曲としてのスリルやダイナミズムを往年のウィーン・フィルの個性豊かな美しいサウンドで実現したユニークな内容。

販売レコードのカバー、レーベル写真

ED2
レーベル中にデザインされている銀色の帯(黒色で「 FULL FREQUENCY 」と書かれている)の幅が13ミリメートルあり、ED4 よりかなり広い。そのため、「ワイド・バンド」とも呼ばれています。またラージ・レーベルの外周から約1センチのところに溝( GROOVE )があります。ここまではファースト・ラベルと同一デザインです。ただし、ラベル上部10時位置の文字が、「 Made in England By … 」に変更になりました。多くの専門家の間で、このセカンド( ED2 )の音質は、ファーストラベル( ED1 )に似ているという意見が多いです。

WIDE BAND WITH GROOVE MADE IN ENGLAND ED2, STEREO 1枚組(150g), Release 1965, Stamper 1W/3G。

通販レコード

品番34-16384
特別価格8,800 円(税込)
通常価格11,000 円

詳細の確認、特別価格での購入手続きは品番のリンクから行えます。「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。

  続きを読む


Posted by WoodStockR at 23:15Comments(0)交響曲通販レコード

2024年04月22日

◆細菌、飛沫ウイルスなど空気中の微細物質を防ぐ《不織布サージカルマスク》抗菌や防塵に効果的な三層構造の不織布マスク

今だからこそ
マスク着用
徹底を

本来あるべきものを喪失する前に

感染予防対策

抗菌や防塵に効果的な、三層構造の使い捨て不織布マスク ― 50枚入り1箱 レギュラーサイズ(17.5cmx9.5cm) 大人用サージカルマスク

●高密度フィルター 3層構造
【外部層】ポリプロピレン(PP)不織布
大きな粒子の侵入を防ぐ(花粉、ダスト、アレルゲン)
【中間層】メルトブロー不織布
細菌、飛沫ウイルスなど空気中の微細物質を防ぐ
【内部層】活性炭、ポリプロピレン(PP)不織布
細かいほこり・ 微粉塵などの防止
●顔にピッタリフィット設計
立体プリーツ加工で顔にフィットさせて隙間を抑える。
ノーズワイヤーにより口元が圧迫されず呼吸がらくにできます。
●長時間の使用時に快適
ソフトな素材、柔らかくて肌にやさしく呼吸も快適。
抗菌や防塵に効果的な、三層構造の使い捨て不織布マスク。 50枚入り1箱 レギュラーサイズ(17.5cmx9.5cm) 大人用サージカルマスク
不織布サージカルマスク 50枚入り1箱 使い捨て 三層構造 大人用レギュラーサイズ

  • オーダー品番
  • 34-8
  • 商品名
  • 不織布サージカルマスク 50枚入り1箱 使い捨て 三層構造 大人用レギュラーサイズ




※注意事項※
  • 画像のカラーは、撮影時の照明等の具合により実物と異なる可能性がございます。なお、商品の色の見え方と実物の色は、お客様のご使用されているパソコン・モニターの環境等により多少異なる場合がございますのでご了承ください。
  • 在庫分は【即日発送】しており、ご注文から2~5営業日でお届けしておりますが、在庫状況や配送業者の事情などにより、お届けに遅れが生じる場合がございます。
  • 税関、天候、郵便事情等で遅くなる場合が御座います、予めご了承ださい。
  • ご注文順に発送しておりますが、在庫切れとなった際は、入荷分から随時お届けいたします、予めご了承ださい。
  • 配送時の不在等で返送となる場合がございますので、ご注意ください。
    Disposable Face Mask

      続きを読む


    2024年04月22日

    イエス・キリスト教会の残響もあってことさらに弦が美しい◉カラヤン指揮ベルリン・フィル ブルックナー:交響曲9番

    通販レコードのご案内カラヤンによるドイツ・オーストリアの伝統 ― カラヤンらしい流麗で起伏に富んだ名演、第3楽章は魅力的です。

    DE DGG SLPM139 011 カラヤン ブルックナー:交響曲9番
    DE DGG SLPM139 011
    (指揮)ヘルベルト・フォン・カラヤン
    (管弦楽)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
    (曲目)ブルックナー:交響曲9番

    1970年代に行われたカラヤン&ベルリン・フィルのブルックナー交響曲全集よりも10年ほど前に録音された第9番。伝説の1966年来日コンサートで演奏したブルックナー8番が日本のファンに喝采を浴びることになりますが、その直前の録音。イエス・キリスト教会の残響もあってことさらに弦が美しく、カラヤンらしい流麗で起伏に富んだ名演です。


    カラヤンの録音で一番充実しているのは1970年代後半から80年代前半の録音。再録音の多いチャイコフスキー、ドヴォルザーク、ベートーヴェンと1970年代の演奏は緊張感が違うと思う。朴訥なブルックナーでさえイメージを覆すようなアプローチで、それでいてブルックナー演奏としての説得力にも欠けていない。


    カラヤンはブルックナー交響曲の全集録音をグラモフォンで1960年代、70年代、80年代にわたり行っていますが、このブルックナーの《交響曲第9番》はカラヤンとベルリン・フィルの黄金時代の録音として、1970年代半ばに収録された評価の高い強烈なブルックナー全集よりも10年ほど前に録音されていたものです。しかも、これに先立つ約二年前にベルリン・フィルとブルックナー第9番を同じドイツ・グラモフォンにヨッフムが録音しているので、リリース規約のあった当時にあっては異例の企画でしょう。


    ジャガイモもカラヤン・シェフの腕でゴージャズでスタイリッシュに変わる。だからといって、ジャガイモ本来の味わいは少しも損なわれていない。繊細さとド迫力。予定調和型の何もないどっしり演奏ではない。これが他の指揮者ではなかなか見られない、自分の信じる流儀を貫くカラヤン流の美学だ。


    この録音はブルックナー最後の交響曲を特別に神聖視している風でもなく、後期ロマン派の作品として普通に演奏しているような印象です。第1楽章は滝が流れ落ちるカラヤンらしい流麗で起伏に飛んだ演奏で、悠然としたブルックナー像ではありません。しかし、ヨッフムのブルックナーも多少ともそういう傾向があったはずです。レコード会社が異例を通したポイントはなんだろう。日本公演の直後に行われたヨーロッパツアーから名ホールアムステルダム・コンセルトヘボウで行われた凄絶なライヴがCD発売されもして、伝説の1966年来日コンサートで演奏したブルックナー・交響曲第8番が日本のファンに喝采を浴びることになりますが、その直前の録音。極めてスタイリッシュかつパワフルで録音も素晴らしく、オーディオ的観点からも胸のすく音の洪水。本録音はカラヤンの何時もの重厚感がたまらなく良いし、豪華絢爛なベルリン・フィルも健在。第3楽章は魅力的です。記憶に残るカラヤンのイメージが最も具現化された演奏だ。


    この録音はブルックナー最後の交響曲を特別に神聖視している風でもなく、あくまでもドイツ・ロマン派シンフォニーの傑作として捉えたアプローチと、ベルリン・フィルの重厚華麗なサウンドが相まったその聴き応えには、脱帽するほかありません。全三楽章の音楽として仕掛けをする様子も見せず、未完成に終わった作品という現実をありのままに実感させられてしまいます。


    他の指揮者に比べて売れた枚数が圧倒的に多いためプレミアムこそ付かないものの、一家に一枚置いておくべきレコード。カラヤン&ベルリン・フィルが確立した「スタイル」を存分に発揮した、オーケストラ音楽とはこうあるべきというカラヤンの信念がビシビシ伝わってくるゴージャスきわまりない演奏です。

    1966年3月ベルリン、イエス・キリスト教会での録音。

    通販レコード詳細・コンディション、価格

    プロダクト

    レコード番号
    SLPM139 011
    作曲家
    アントン・ブルックナー
    オーケストラ
    ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
    指揮者
    ヘルベルト・フォン・カラヤン
    録音種別
    STEREO

    販売レコードのカバー、レーベル写真

    • DE DGG SLPM139 011 カラヤン ブルックナー:交響曲…
    • DE DGG SLPM139 011 カラヤン ブルックナー:交響曲…

    コンディション

    ジャケット状態
    M-
    レコード状態
    EX++
    製盤国
    DE(ドイツ)盤
    BLUE LINE, STEREO 1枚組 (120g)

    レーベル・ガイド

    ブルーラインレーベル》黄色地に黒文字、外周が青の二重線で囲まれたものです。通称、BLUE LINEと呼ばれています。2530 etc. で始まります。このラベルにも2種類あり、最初の頃のものはラベル周囲の文字が詰めて印字( GY8 )してあり、後期のものは文字間隔が空けて( GY9 )印字されています。

    通販レコード

    詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
    • オーダー番号34-25290
    • 販売価格2,750円(税込)
      続きを読む


    Posted by WoodStockR at 05:00Comments(0)交響曲通販レコード

    2024年04月21日

    軽やかでありながら華麗、しかも燃えるような情熱を内に秘めた唯一無二のパフォーマンス*リパッティ・プレイズ・ショパン

    現代でも高い支持を得ているモノラル録音!


    CDはアマゾンで購入できます。

    リパッティの遺した名盤のひとつ。
    数あるショパンの『ワルツ集』の中でも
    ひときわ光芒を放っている逸品。
    《バルカロール》といい《ノクターン》といい、
    レコードの数は実に多いのであるが、
    雅歌ある情感で、
    しかも現代のわたしらに心から共感できる
    みずみずしいショパンも珍しい。


    ピアノ・リサイタル(クラシック・マスターズ)
    ディヌ・リパッティ
    ワーナーミュージック・ジャパン
    2014-07-16


    JP COLUMBIA OL3103 ディヌ・リパッティ ディヌ・リパッティ第5洲

    夭折の天才が残した、歴史的にも貴重な記録。

    通販レコードのご案内《1960年10月発売日本コロムビア社製》JP COLUMBIA OL3103 ディヌ・リパッティ ディヌ・リパッティ第5集

     ショパンの晩年の名作4曲を集めたこのレコードは、1940年代の録音ではあるが、80数年を経た今もなおLPではこれらを凌ぐ演奏が出てこない。《ソナタ第3番》の磨き抜かれた演奏ぶりはこの上なく美しいが、正直に言って多少淡白すぎる点がないではない。しかしB面の3曲は、聴けば聴くほど驚嘆しないではいられない文句なしの名演奏ばかりだ。《バルカロール》といい《ノクターン》といい、レコードの数は実に多いのであるが、これだけ詩的な、気品の高い弾きぶりで、しかも現代のわたしらに心から共感できるみずみずしいショパンも珍しい。野暮ったいところが少しもなく、また師匠コルトーのように崩さないできっちり弾いているが、それぞれの雅歌ある情感は残さず表わし尽くされている。1950年に33歳で惜しくも夭折したリパッティがいかに完璧なテクニックを持ち洗練されたスタイルを駆使したか、またいかに優れた音楽性と円熟した表現力とを身に着けていたかを物語る名盤として、録音こそ古いけれど貴重な一枚である。リパッティのショパンは、このように実にすっきりとしている、しかも充実した華やかさを内に宿しているのが特徴であった。1960年10月発売日本コロムビア社製英国EMIからの輸入メタル使用盤、モノラル録音。
    1947年3月1,4日(ソナタ)、2月20日(ノクターン第8番)、1948年4月17,21日(バルカロール)にロンドン、アビーロードスタジオでのセッション録音。1950年7月3-12日(マズルカ第32番)にジュネーヴでのスタジオ録音。
     リパッティの遺した名盤のひとつ。数あるショパンの『ワルツ集』の中でもひときわ光芒を放っている逸品。
     フランスで身に付けた華麗さや洗練さと、ラテン的な情熱が絶妙なバランスを保っている。
     これがモノ録音しか聴くすべが無い現代でも高い支持を得ている要因では無いかと結論づけては早計でしょうか。

    リパッティは録音が良くない、ピアノの音色がわからないなどと言う人もありますが…


     令和2年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」。後の明智光秀が主人公で、十兵衛と名乗っていた頃。斎藤道三との対面シーンから撮影はクランクインしたそうだ。2人が対面する直前の斎藤道三の登場は、常在寺の住職・日運が道三の正室である小見の方の病気平癒のため、献上した珊瑚の玉を数珠を作るためにかたちの揃った玉を小姓に仕分けさせているところからはじまる。そこで、リパッティのレコードの音が脳裏に浮かんできた。粒のそろった真珠玉が転がるような玲瓏にして高貴なピアノ。リパッティは録音が良くない、ピアノの音色がわからないなどと言う人もありますが、この日本初出盤はそんなことはなく、リパッティがどのような音色を持ったピアニストであったのか、はっきりとわかります。重厚な低音、鮮やかな中音、玉を転がすような高音と、音域ごとに優れたバランスがあります。ベーゼンドルファーか、スタインウェイか、録音に使用されたピアノははっきりしませんが、弦がハンマーで叩かれていることをイメージさせないベヒシュタインの響きは立体的な音の遠近も奏でられる特色がありますが、SPレコード録音は、テープ録音と比較はできませんが、年代を考えればむしろ優秀録音と言えます。
     リパッティが、20世紀のピアノ演奏史に燦然と輝いているのは、単に残された数少ない録音の素晴らさからだけではと思います。リパッティは録音に対しては何時も真剣で一枚のレコードが完成するまでは何度もテイクを重ね、それがより完成度を高めて、結果として強い説得力を生んだと云われている。
     33歳で夭折した天才、リパッティが遺した歴史的録音で、自身の行く末を知っていたのか、時に疾走し、時にたゆたう緩急絶妙のテンポ変化はありますが、音楽の重心が低い。それも単に「低い」というレベルを超えていて、その揺るぎなさ、安定感は他のピアニストからは聴くことができない。手の大きさなど物理的な作用もあるのだろうが、それよりも内面によるものが大きい。地球ゴマの円盤が高速で回転運動を行っている間は、回転軸の向きが常に一定不変に保たれる。音楽がどんなに勢いをもって動いても、その奥底ではシンと静まりかえったものがある。その結果として生まれる瑞々しい歌と躍動感が作品と一体となった ― 作曲者と聴く者が直接向き合うかのように感じられる稀代の名演。
     彼のピアニズムを一言で言い表すとすれば、繊細、清潔、透明、端整といった表現が相応しいと思います。例えばブザンソンのライヴを聴いて居て感じることですが、既に迫り来る死を避けがたい運命と悟ってたと思われながら、そのような苦悩を微塵も演奏からは感じさせずに、常に聴衆の方を向いていたのではと思いたくなります。
     33歳で逝ってしまったことが、何故か、英国のジャクリーヌ・デュ・プレやイシュトヴァーン・ケルテス ― それぞれに病死ではありませんが、突然の最期として ― に重なりあう。リパッティの33歳の早すぎた死は、何枚も名盤量産するという輝かしい未来を奪い、歳月を重ねて到達する円熟の境地を与えなかったですが、このルーマニアの才能を惜しむ声は高まりこそすれ、一向に衰えずリパッティ初期盤収集に苦労します。
    ディヌ・リパッティ(1917年〜1950年)は、ルーマニアのピアニスト、作曲家。 ブカレスト生まれ。アルフレッド・コルトーに魅入られて教えを受けるが、33歳でジュネーヴ郊外でこの世を去った。
     彼のピアノの特徴は、透明な音色でピアノを最大限に歌わせていることである。純粋に徹した、孤高なまでに洗練されたピアニズムは古今でも随一とされる。
    死因は白血病といわれることが多いが、実際はホジキンリンパ腫である。演奏会の直前まで40度の高熱を出して病床に伏していたリパッティであったが、医師の制止を振り切り、強力な解熱剤の注射により、ようやく立ち上がることができるような状態で、よろめくようにステージに姿を現し、やっとのことでピアノのところまで辿りつくことができたという。しかし、この録音を聴く限り、そんな身体の状況などは微塵みじんも感じさせず、集中力の高いピアノ演奏には驚かされるばかりである。
     このレコードで聴ける、ショパンはレコード芸術の歴史上でも貴重な遺産である。

    通販レコード詳細・コンディション、価格

    JP COLUMBIA OL3103 ディヌ・リパッティ ディヌ・リ…
    JP COLUMBIA OL3103 ディヌ・リパッティ ディヌ・リ…

    濃青銀文字, MONO (140g), 1960年10月発売日本コロムビア社製 XAX-10022 輸入メタル使用盤。


    詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
    https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27451

    プロダクト

    Dinu Lipatti Plays Chopin
    品番
    34-27391
    レコード番号
    OL3103
    作曲家
    フレデリック・ショパン
    演奏者
    ディヌ・リパッティ
    録音種別
    MONO

    コンディション

    ジャケット状態
    EX
    レコード状態
    EX+
    製盤国
    JP(日本)盤

    通販レコード

    詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
     
    オーダーは 品番 / 34-27391
    販売価格 2,750円(税込)
    「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。

      続きを読む


    2024年04月21日

    2024年04月21日

    名曲新百選◉歌のヒットで柳並木が復活 東京行進曲〜佐藤千夜子・朝ドラにもなった流行歌手第1号の金字塔、昭和の歌謡曲第1号

    平成版名曲新百選
    第3番(昭和4年5月)
    曲目
    東京行進曲
    歌手
    佐藤千夜子
    作詞
    西條八十
    作曲
    中山晋平
    昭和の歌謡史の第一ページ ― 映画主題歌の第1号 昭和の初め、現代流行歌の草分け時代。中山晋平メロディーで幕を開け、古賀政男の出現によって日本中を席巻し、黄金期を迎えます。それは支那事変が起こって戦況が悪化、音楽が統制下に置かれる昭和10年まで続きます。
     昭和の初め、娯楽雑誌として日本一の発行部数を誇っていた「キング」に掲載された、菊池寛の評判小説を日活が映画化するに当たって、ビクターがタイアップして作った映画主題歌で、昭和4年5月発売されるや爆発的なヒットとなりました。
     昭和の初め、日本歌謡界のクイーンは佐藤千夜子でした。本名は千代、山形県出身で、上野の音楽学校に学んでいた彼女が、中退して中山晋平の作曲した童謡や新民謡を歌って、レコード以前からその声価は高かったものです。ビクター専属のレコード歌手第1号として吹き込んだ『波浮の港』は15万枚、映画主題歌『東京行進曲』が25万枚の大ヒットは驚異的なものでした。昭和の歌謡史の第一ページに深く刻まれた彼女の輝く足跡は、いつまでも消えないでしょう。
     歌詞は、関東大震災から立ち直った東京のモダン風俗をうたったものですが、ヒット・ソングを映画化した大正時代の小唄映画と違って、これは映画とレコードが同時に企画製作された最初の作品で、映画主題歌の第1号といえる記念すべき作品です。
     冒頭に〝昔恋しい銀座の柳〟という詞がありますが、銀座の柳並木は明治期にイチョウに切り替えられ、この歌より6年前の関東大震災でそれも壊滅状態となっていました。この歌の当時はプラタナスになっていましたが、曲の大ヒットで<銀座に柳を復活させよう>の気運が盛り上がり、銀座に柳が復活しました。後に作詞作曲も同じメンバーで「銀座の柳」が作られ完全復活が宣言されました。折角の銀座の柳も太平洋戦争の東京大空襲などで壊滅し、現在は4代目だそうです。
      続きを読む


    2024年04月21日

    名曲名盤縁起 聴衆が手拍子で演奏に参加する勇壮なマーチ ヨハン・シュトラウス1世〜ラデツキー行進曲


    ウィーン・フィルの名コンマス、ボスコフスキー没 ― 1991年4月21日


    GB DEC SXL6817 ヴィリー・ボスコフスキー Prosit… 元旦に、ウィーン・フィルが楽友協会ホールで開く「ニューイヤー・コンサート」は、世界一有名な演奏会。その立役者が、ウィーン・フィルのコンサート・マスターとして、音楽の都を象徴する活躍を繰り広げたヴィリー・ボスコフスキー(1909〜1991)である。彼は1955年から79年まで「ニューイヤー・コンサート」の顔となり、ヴァイオリンを弾きながらオーケストラを指揮するヨハン・シュトラウス父子のスタイルを再現して人気を博した。

    JP LONDON SLB13 ウィリー・ボスコフスキー ヨハン・シ… 気さくな人柄で日本人にも愛されたボスコフスキーの命日の音楽は、湿っぽくないほうがいい。それならば、今も「ニューイヤー・コンサート」の締めくくりに演奏される〝ワルツの父〟ヨハン・シュトラウス1世の《ラデツキー行進曲》(1848年初演)。ハンガリーの将軍ラデツキー伯爵の凱旋祝賀演奏会のために書かれた、トルコの軍楽を思わせる勇壮なマーチだ。楽友協会の聴衆になった気分で、手拍子をしながら聴こう。




    Johann Strauss

    (父 1804.3.14 〜 1849.9.25、オーストリア)
    (子 1825.10.25 〜 1899.6.3、オーストリア)
    Johann Strauss父ヨハンは〝ワルツの父〟、子のヨハンは〝ワルツ王〟と呼ばれている。父子とも実用的な舞踏音楽であるウィンナ・ワルツの基礎を築いた作曲家として名高い。当時、ウィンナ・ワルツはメッテルニッヒの専制政治下における社会不安のもとで、大流行した。父ヨハンは「アンネン・ポルカ」、「ラデツキー行進曲」など250曲にのぼる作品を作曲し、子ヨハンは父が確立したウィンナ・ワルツをいっそう洗練させ、芸術性を盛り込んだ500曲におよぶ作品を書いた。「美しく青きドナウ」、「ウィーンの森の物語」、「皇帝円舞曲」などのワルツのほか、「こうもり」、「ジプシー男爵」など16曲のオペレッタを作曲している。この一家は全部音楽家で、次男ヨーゼフも、三男エドゥアルトも作曲家兼指揮者であった。

      続きを読む


    2024年04月20日

    《被災地のレコード愛好者にお伝え下さい》被災されたレコード愛好者へ届けたいご支援 ― 令和6年能登半島沖地震お見舞い

    令和6年能登
    半島沖地震
    お見舞い

    被災された
    レコード愛好者へ
    届けたい

    令和6年能登半島沖地震お見舞い

    令和6年能登半島沖地震で被災された皆さまお見舞い申し上げます。
    今はまだレコードどころではないと思いますが、もしお持ちのレコードがこの災害で汚れてしまわれたのでしたら、オヤッグサウンドではわずかですが
    LP用クリーナー500ccとオヤッグクロスのセットを50個、
    SP用クリーナー500ccとオヤッグクロスのセットを20個ご用意しました。
    レコードにクリーナーを数滴落としてクロスで拭き取れば汚れが取れます。
    ご希望がありましたらレコードクリーニングマシンも無料でお貸しいたします。
    セットも送料もオヤッグサウンド持ちで発送いたします。
    ご希望の方またはお知り合いで被害に遭われてレコードの汚れでお困りの方がおりましたらご紹介ください。
    support@oyagsound.jp
    までご連絡下さい。


      続きを読む


    2024年04月20日

    親しみ易さと気取りのなさには達者なヴィオラがいないとつまらない《アメリカ》カルテット〜クラシック名曲ガイド、これを聞け

    弦楽四重奏曲 第6番 ヘ長調 作品96《アメリカ》

    DE  EMI  ASD3694 メディチSQ  ドヴォルザーク・ア… ドヴォルザークは、1892年(51歳)に渡米し、約2年間、ニューヨーク国民音楽院の初代校長としての責務を果たした。そしてその間に、「交響曲 第9番《新世界より》」、「チェロ協奏曲」、「弦楽四重奏曲第6番」《アメリカ》といった名作を相次いで生んだのだった。
     ドヴォルザークの作曲した弦楽四重奏曲は、作品番号のないものまで含めると全部で13曲もあるが、その中では、この「第6番」《アメリカ》が抜きん出て優れている。わずか15日という短期間に作曲されたこの曲は、黒人霊歌を思わせるような旋律が使われているので、昔は《ニガー》(二グロの蔑称)と呼ばれていたが、人種問題のやかましい今日では、この名称は使われない。
    FR VSM CVB2013 スメタナSQ ドヴォルザーク・アメリカ ドヴォルザークの弦楽四重奏曲はいい曲があるのですが、不思議なことにあまり演奏されません。全部で13曲のうち、せいぜい2番から8番くらいまでの曲しか演奏されず、その中でも6番目に当たる《アメリカ》は、圧倒的に数多く演奏されています。アメリカに滞在中に書いた最も有名な三曲中の一曲です。1893年の夏、ドヴォルザークの故郷であるボヘミアからの移民の集まっていた秋穂阿州のスピルヴィルという村で、夏の間に作曲された。昔はこのヘ長調のクヮルテットをよく《ニガー》というニックネームをつけて呼んでいました。これは黒人霊歌に似た旋律がたくさん現れることからつけられたものと思われますが、今ではもっぱら《アメリカ》の愛称が用いられるようになりました。そもそも NIGGER という言葉は、戦争中にアメリカ兵たちに使われた JAP と同類で軽蔑の気持ちが込められており、私たち日本人やヨーロッパの人たちは感じなくても、黒人たちにとっては耐えられない嫌な言葉らしい。最近では黒人暴動が相次いで起き、人種問題にはとりわけ敏感なアメリカでは、NEGRO という言葉すら蔑意が含まれているとして気を使うくらいですから、人種問題とは何の関わりもないドヴォルザークのクヮルテットに、黒人霊歌に似ているというだけの理由で《ニガー》などという危険な別名をつける必要はさらさらないわけです。

    達者なヴィオラがいないとつまらない。

     それにしてもこのクヮルテットは、いうにいわれぬ独特な魅力を秘めています。

    鑑賞のポイント

     第1楽章アレグロ・マ・ノン・トロッポ、第2楽章レント、第3楽章モルト・ヴィヴァーチェ、第4楽章ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ。全体に民族的色彩が強く、親しみやすい旋律が豊富に使われているのが大きな特徴で、とくに、おおらかな気分の第1楽章と、感傷的な民謡調の旋律の美しい第2楽章は、間違いなく感動を誘う楽章である。

     まず冒頭、2小節の伴奏的音形にのっていきなりヴィオラがドヴォルザーク節と言えるようなアレグロの主題を弾き始めるのですが、低いC線から始まるヴィオラの鼻にかかったような哀愁のある音色は、実に鮮烈な印象を与える効果を持っています。

    GB DEC  SDD250 ヤナーチェクSQ ドヴォルザーク・弦楽… このヴィオラという楽器は、弦楽器群m女中では役回りからいってない声部担当ですから、いわば縁の下の力持ちみたいなもので、日頃は目立たぬ存在dす。弦楽器を女性に例えれば、ヴァイオリンは派手なお嬢さん、チェロは雄弁ななんとか女史、それに対してヴィオラはさしずめ結婚して何年メカの世話女房、普段は割烹着か何かを機こんでもっぱら亭主の飯を作り、洗濯に明け暮れている女房が、突然ある日、見るも鮮やかな洋服を着こなし、色気を振りまきながらしゃなりしゃなりと名おn・ストリートに現れ出でて、彼女を知る男どもをびっくり仰天させるような効果を、この曲のボイ等は持って今津。
     ヴィオラ奏者が女性だったりすると、この印象はさらに強烈なものよなります。

    鑑賞のすすめ

     ヤナーチェク弦楽四重奏団盤は、このきょくのもつみんぞくてきじょうちょをせんれんさせたkスメタナ盤は、みんぞくてきなきょうかn密度の高い演奏で、アンサンブルも完璧だ。録音はスメタナ盤の方がやや良い。
      続きを読む


    2024年04月19日