› 並木通りの音楽ヤ › 2025年01月23日

2025年01月23日

真の永遠のベストセラー◉名演にも勝るカール・リヒターの高潔な演奏と解釈 ミュンヘン・バッハ管 バッハ・マタイ受難曲

カール・リヒターの代名詞的録音ともいわれる、決定的名盤。バッハ演奏において一時代を築いたリヒターの最初の「マタイ受難曲」の録音で、その後のバッハ演奏、あるいは「マタイ」演奏に多大な影響を与えた録音。


DE ARC SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ・マタイ受難曲

《独ステレオ・カーヴ with silver "Alle Hersteller“ ED1 布張りボックス、背表紙「逆さ文字」最初期盤》DE ARCHIV SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ・マタイ受難曲

旧東ドイツの牧師の息子に生まれたリヒターは、1950年代から70年代に峻厳な気迫を湛えた入魂の演奏で、現代人の心に強くアピールする清新なバッハ像を打ち立てた。
 バッハの《マタイ受難曲》は宗教音楽の金字塔というだけでなく、〝人類最高の音楽遺産〟ともいうべき不滅の傑作である。日本の音楽ファンにも、そう確信させたのが1969年5月の東京で、リヒターが手兵のミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団と演奏した《マタイ受難曲》であったかもしれない。バッハの化身とまで謳われ、20世紀のバッハ演奏に大きな足跡を残したカール・リヒターによる《マタイ受難曲》は現在4つの録音があり、本盤は1958年録音盤。レコード発売以来、恐らく日本だけで50万セット以上は売れたであろう、クラシックのレコード史上に輝く作品。
 リヒターによるバッハ演奏、なかでも大作《マタイ受難曲》(1958年録音)から始まったここでの4大宗教作品の録音は、それまでの伝統に立脚した解釈・演奏とは一線を画したものとして、今日のバッハ演奏として定着した感のあるオリジナル楽器にも匹敵し、それらをも上回るリヒターの確信と解釈とによって絶大な名声を博してきました。なかでも《マタイ受難曲》は1959年のレコードによる発売以来、CD時代となった現在でも、その演奏水準の高さ、各ソリストの名演、そして何にも勝るリヒターの高潔な演奏と解釈が普遍性を示したものとして、真の永遠のベストセラーとして支持され続けてきました。
 バッハが作曲した「マタイ受難曲」が西洋音楽の最高峰だという事には殆ど誰も異論を挟まない。この曲を知らずに死んでもどうって事は無いが、人類最大の音楽遺産を聴く喜びを知らずに死んだ事になる、と多くの先人が書いているし私も同感だ。イエスの死と復活を扱ったこの曲はキリスト教を信じるか、信じないかを超越したところで誰もが深い精神性と感動を味わうことができる。冒頭の第1曲の合唱「来れ、娘たちよ、われとともに嘆け」が始まるとともに、これから語られる受難の物語の壮大な幕開けの緊迫感に圧倒されてしまいます。やがて天から降ってくるかのようなミュンヘン少年合唱団の合唱がこれまた緊張感を持って合唱に加わる。素晴らしいのはアリアや合唱だけでなく、テノールのヘフリガーの福音史家の語りが素晴らしいのはこの盤の魅力にもなっています。音楽の力としか言いようがないほど、強烈な説得力で語りかけてきます。それらをひとまとめにしての極めつけはヘルタ・テッパーによるアリア「憐れみ給え、我が神よ」はバッハを唄う不世出のアルトを実感させる。「憐れみ給え、我が神よ」は〝ペテロの否認〟の後、ひたすら神の許しを乞うて歌われる美しく厳粛なアリアだ。印象的なヴァイオリンのオブリガート(助奏)が、神の慈悲を表しているようだ。実際、涙を流しながら歌う歌手もいるという。
1958年6月-8月ミュンヘン、ヘラクレスザール録音。

ヴィンテージレコード詳細

プロダクト

Karl Richter ‎– Johann Sebastian Bach / Passio Secundum Matthæum (Matthäus-Passion)
レコード番号
SAPM198 009/12
作曲家
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
演奏者
エルンスト・ヘフリガー キート・エンゲン イルムガルト・ゼーフリート アントニー・ファーベルク ヘルタ・テッパー ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ マックス・プレープストル エッケハルト・ティーツェ ヘトヴィヒ・ビルグラム
オーケストラ
ミュンヘン・バッハ管弦楽団
指揮者
カール・リヒター
録音種別
STEREO
STEREO CURVED with silver "Alle Hersteller“ ED1, STEREO FLAT 4枚組 (180g/170g/160g/170g), 布張りボックス、ブックレット及びレコーディング・データシート付属、背表紙「逆さ文字」最初期盤。

ヴィンテージレコードのカバー、レーベル写真

DE ARC SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ…
DE ARC SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ…
DE ARC SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ…
DE ARC SAPM198 009/12 カール・リヒター バッハ…

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
EX+
製盤国
DE(ドイツ)盤
ARCHIV》シルバーと青は、アルヒーフレーベルのシンボル・カラー。ドイツ・グラモフォンの社内に置かれた音楽史研究部門として、1947年に誕生し、古楽器の音楽を専門に扱っているレーベルである。ヴァルヒャ、リステンパルト、レーマンらによるバッハ作品の録音より開始され、その後オリジナル楽器復興として重要な、ヴェンツィンガーとバーゼル・スコラ・カントールムによる演奏や、決定的な名盤になった、カール・リヒターの「マタイ受難曲」などを録音。録音、演奏とも高水準を維持してきたわけではないが、その歴史的音楽資料としての価値は計り知れないものがある。デジタル録音の開始により、サウンドは安定期に入っており、1980年頃からは、ピノック、ガーディナー、ゲーベルらと契約を結び、古楽復興の重要なレーベルとなってきた。
アルヒーフ・レーベルのステレオ時代のレーベルは、銀色のベースにレーベルの周囲に二本の青色の線が印刷された、一般に「ブルーラインレーベル」から始まる。そのなかでも、ステレオ初期盤のレーベルは、12時の位置に「STEREO」の表記がみられる。次の世代になると、この「STEREO」表記はなくなる。
この頃のアルヒーフ・レーベルの名盤としてはカール・リヒターが残した数多くのバッハの名作を中心とした名録音を上げることができる。「マタイ受難曲」そして「ヨハネ受難曲」、数多くのカンタータそして、管弦楽組曲などの器楽曲はいまでも、バッハ演奏の模範として多くのファンを魅了している。

通販レコード

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
オーダーは 品番 / 23261
販売価格 41,800円(税込)
プライバシーに配慮し、会員登録なしで商品をご購入いただけます。梱包には無地のダンボールを使用し、伝票に記載される内容はお客様でご指定可能です。郵便局留めや運送会社営業所留めの発送にも対応しております。
入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。

  


2025年01月23日

§母との思い出を増やすコロナ禍 ― アナログレコードの文化を守る OYAG SOUND 店主のノート

車椅子 ― 南野勝

 私と同居する母は今年89歳になる、父は10年以上前に亡くなった。
 その母も数年前に脳梗塞を患い後遺症で杖が必要になった。それからは認知症も進んだ気がする。
 今は介護施設のディサービスに通い穏やかに過ごしているが、ディサービスに行くことを学校に行くと言う。
 時々今日は遠足だと嬉しそうに話し、天気の悪い日は遠足があるのにと残念がる。
はて、そんなに遠足が続くのか?
OYAG SOUND
ケアマネジャー訪問日にその話題をすると、以前は天気の良い日に施設の職員が近所の公園に連れて行くということがあったようだが、このコロナ禍でもう一年以上そういうことは行っていないそうである。
きっと退屈でディサービスの日を遠足と思い込んでいるのだろう。
何か可哀想な気がしてどこかに連れて行ってあげようと思うのだが、母を歩かせるとやはり足が頼りなく、転倒すると骨折の心配がある。
ケアマネジャーに相談したところ車椅子のレンタルができるそうだ、なるほどそういういきさつでみんな車椅子を借りることになるのか、と腑に落ちる。
さっそくお願いして車椅子を玄関口に置いてみる。

母は誰の車椅子だ、と人ごとのように言う。
「お母さんのだよ」、と説明してもピンとこないようで、私はそんなものは必要ないと言う。
自分は何でもできると思っている節があるがそれが危ない。
嫌がる母を説得して乗ってもらい近所を一回りしてみた。
おそらく母はここ2年ほどこの風景を見ていないはずで、感想を聞いてみると「さあ・・・」というが、その表情は明るい。

翌日。玄関の車椅子を見つけて、やはり誰のだと聞いてきた。また昨日と同じやり取りがあった。

もう桜の季節である。
おそらく母は桜を見ても翌日まで覚えていないだろう、それも良いかと思う。
そうやって母との思い出を増やすコロナ禍である。
令和3年3月 オヤッグ店主

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Posted by WoodStockR at 12:15Comments(0)新型コロナウイルスOYAG SOUND

2025年01月23日

軽やかでありながら華麗、しかも燃えるような情熱を内に秘めた唯一無二のパフォーマンス*リパッティ・プレイズ・ショパン

現代でも高い支持を得ているモノラル録音!


CDはアマゾンで購入できます。

リパッティの遺した名盤のひとつ。
数あるショパンの『ワルツ集』の中でも
ひときわ光芒を放っている逸品。
《バルカロール》といい《ノクターン》といい、
レコードの数は実に多いのであるが、
雅歌ある情感で、
しかも現代のわたしらに心から共感できる
みずみずしいショパンも珍しい。


ピアノ・リサイタル(クラシック・マスターズ)
ディヌ・リパッティ
ワーナーミュージック・ジャパン
2014-07-16


JP COLUMBIA OL3103 ディヌ・リパッティ ディヌ・リパッティ第5洲

夭折の天才が残した、歴史的にも貴重な記録。

通販レコードのご案内《1960年10月発売日本コロムビア社製》JP COLUMBIA OL3103 ディヌ・リパッティ ディヌ・リパッティ第5集

 ショパンの晩年の名作4曲を集めたこのレコードは、1940年代の録音ではあるが、80数年を経た今もなおLPではこれらを凌ぐ演奏が出てこない。《ソナタ第3番》の磨き抜かれた演奏ぶりはこの上なく美しいが、正直に言って多少淡白すぎる点がないではない。しかしB面の3曲は、聴けば聴くほど驚嘆しないではいられない文句なしの名演奏ばかりだ。《バルカロール》といい《ノクターン》といい、レコードの数は実に多いのであるが、これだけ詩的な、気品の高い弾きぶりで、しかも現代のわたしらに心から共感できるみずみずしいショパンも珍しい。野暮ったいところが少しもなく、また師匠コルトーのように崩さないできっちり弾いているが、それぞれの雅歌ある情感は残さず表わし尽くされている。1950年に33歳で惜しくも夭折したリパッティがいかに完璧なテクニックを持ち洗練されたスタイルを駆使したか、またいかに優れた音楽性と円熟した表現力とを身に着けていたかを物語る名盤として、録音こそ古いけれど貴重な一枚である。リパッティのショパンは、このように実にすっきりとしている、しかも充実した華やかさを内に宿しているのが特徴であった。1960年10月発売日本コロムビア社製英国EMIからの輸入メタル使用盤、モノラル録音。
1947年3月1,4日(ソナタ)、2月20日(ノクターン第8番)、1948年4月17,21日(バルカロール)にロンドン、アビーロードスタジオでのセッション録音。1950年7月3-12日(マズルカ第32番)にジュネーヴでのスタジオ録音。
 リパッティの遺した名盤のひとつ。数あるショパンの『ワルツ集』の中でもひときわ光芒を放っている逸品。
 フランスで身に付けた華麗さや洗練さと、ラテン的な情熱が絶妙なバランスを保っている。
 これがモノ録音しか聴くすべが無い現代でも高い支持を得ている要因では無いかと結論づけては早計でしょうか。

リパッティは録音が良くない、ピアノの音色がわからないなどと言う人もありますが…


 令和2年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」。後の明智光秀が主人公で、十兵衛と名乗っていた頃。斎藤道三との対面シーンから撮影はクランクインしたそうだ。2人が対面する直前の斎藤道三の登場は、常在寺の住職・日運が道三の正室である小見の方の病気平癒のため、献上した珊瑚の玉を数珠を作るためにかたちの揃った玉を小姓に仕分けさせているところからはじまる。そこで、リパッティのレコードの音が脳裏に浮かんできた。粒のそろった真珠玉が転がるような玲瓏にして高貴なピアノ。リパッティは録音が良くない、ピアノの音色がわからないなどと言う人もありますが、この日本初出盤はそんなことはなく、リパッティがどのような音色を持ったピアニストであったのか、はっきりとわかります。重厚な低音、鮮やかな中音、玉を転がすような高音と、音域ごとに優れたバランスがあります。ベーゼンドルファーか、スタインウェイか、録音に使用されたピアノははっきりしませんが、弦がハンマーで叩かれていることをイメージさせないベヒシュタインの響きは立体的な音の遠近も奏でられる特色がありますが、SPレコード録音は、テープ録音と比較はできませんが、年代を考えればむしろ優秀録音と言えます。
 リパッティが、20世紀のピアノ演奏史に燦然と輝いているのは、単に残された数少ない録音の素晴らさからだけではと思います。リパッティは録音に対しては何時も真剣で一枚のレコードが完成するまでは何度もテイクを重ね、それがより完成度を高めて、結果として強い説得力を生んだと云われている。
 33歳で夭折した天才、リパッティが遺した歴史的録音で、自身の行く末を知っていたのか、時に疾走し、時にたゆたう緩急絶妙のテンポ変化はありますが、音楽の重心が低い。それも単に「低い」というレベルを超えていて、その揺るぎなさ、安定感は他のピアニストからは聴くことができない。手の大きさなど物理的な作用もあるのだろうが、それよりも内面によるものが大きい。地球ゴマの円盤が高速で回転運動を行っている間は、回転軸の向きが常に一定不変に保たれる。音楽がどんなに勢いをもって動いても、その奥底ではシンと静まりかえったものがある。その結果として生まれる瑞々しい歌と躍動感が作品と一体となった ― 作曲者と聴く者が直接向き合うかのように感じられる稀代の名演。
 彼のピアニズムを一言で言い表すとすれば、繊細、清潔、透明、端整といった表現が相応しいと思います。例えばブザンソンのライヴを聴いて居て感じることですが、既に迫り来る死を避けがたい運命と悟ってたと思われながら、そのような苦悩を微塵も演奏からは感じさせずに、常に聴衆の方を向いていたのではと思いたくなります。
 33歳で逝ってしまったことが、何故か、英国のジャクリーヌ・デュ・プレやイシュトヴァーン・ケルテス ― それぞれに病死ではありませんが、突然の最期として ― に重なりあう。リパッティの33歳の早すぎた死は、何枚も名盤量産するという輝かしい未来を奪い、歳月を重ねて到達する円熟の境地を与えなかったですが、このルーマニアの才能を惜しむ声は高まりこそすれ、一向に衰えずリパッティ初期盤収集に苦労します。
ディヌ・リパッティ(1917年〜1950年)は、ルーマニアのピアニスト、作曲家。 ブカレスト生まれ。アルフレッド・コルトーに魅入られて教えを受けるが、33歳でジュネーヴ郊外でこの世を去った。
 彼のピアノの特徴は、透明な音色でピアノを最大限に歌わせていることである。純粋に徹した、孤高なまでに洗練されたピアニズムは古今でも随一とされる。
死因は白血病といわれることが多いが、実際はホジキンリンパ腫である。演奏会の直前まで40度の高熱を出して病床に伏していたリパッティであったが、医師の制止を振り切り、強力な解熱剤の注射により、ようやく立ち上がることができるような状態で、よろめくようにステージに姿を現し、やっとのことでピアノのところまで辿りつくことができたという。しかし、この録音を聴く限り、そんな身体の状況などは微塵みじんも感じさせず、集中力の高いピアノ演奏には驚かされるばかりである。
 このレコードで聴ける、ショパンはレコード芸術の歴史上でも貴重な遺産である。

通販レコード詳細・コンディション、価格

JP COLUMBIA OL3103 ディヌ・リパッティ ディヌ・リ…
JP COLUMBIA OL3103 ディヌ・リパッティ ディヌ・リ…

濃青銀文字, MONO (140g), 1960年10月発売日本コロムビア社製 XAX-10022 輸入メタル使用盤。


詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
https://recordsound.jp/analogsound/index.php?mode=detail&gid=27451

プロダクト

Dinu Lipatti Plays Chopin
品番
34-27391
レコード番号
OL3103
作曲家
フレデリック・ショパン
演奏者
ディヌ・リパッティ
録音種別
MONO

コンディション

ジャケット状態
EX
レコード状態
EX+
製盤国
JP(日本)盤

通販レコード

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
 
オーダーは 品番 / 34-27391
販売価格 2,750円(税込)
「クレジットカード決済」「銀行振込」「代金引換」に対応しております。

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